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2019年4月9日(火)

きょうの潮流

 満開の桜のもとで、にっこりとほほ笑む新1年生。慣れない制服やランドセルを背負う姿が初々しい。〈名を呼べば視線まつすぐ入学児〉(鷹羽狩行=たかは・しゅぎょう=)▼各地で新学期を迎える子どもたち。花が咲き、木々が芽吹くなか、新しい生活の始まりです。いまだ寒い北国、すでに若夏の足音が聞こえる沖縄、震災の爪痕が残る被災地でも▼宮城・南三陸町の志津川小学校では、8年ぶりに同じ光景が戻りました。東日本大震災後、校庭には仮設住宅が建てられ、半分ほどしか使えませんでしたが、先月までにすべて撤去。広々とした校庭で新学期がスタートしました▼よく学び、よく遊べ―。「子どもの権利条約」のなかに、忘れられた条文といわれてきた項目があります。休息や余暇、遊びや文化的な生活に参加する権利を認める第31条です。制度化されにくく後回しにされてきましたが、子どもの日々のくらしと発達に必要な栄養素として見直されています▼いまの子どもたちを象徴するキーワードに「疲れ」と「ストレス」があります。それを改善するためにも、のんびり、ゆったりとした時間に身をゆだねる。被災地はもとより、遊びや文化には子どもの心をいやし、成長を引き出す力があるといいます(『うばわないで! 子ども時代』)▼喜びや楽しさ、おもしろさは子どもたちの元気の源です。夢や希望に胸をふくらませる真っすぐなまなざしを受けとめ、心ゆたかに育てる。そのためにも、ゆとりある社会を実現していくことが不可欠です。


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