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2019年4月9日(火)

主張

岩国F35B追加へ

海外殴り込み部隊は撤退こそ

 山口県の米海兵隊岩国基地(岩国市)に、最新鋭のF35Bステルス戦闘機16機が、新たに配備される計画が明らかになりました。既に配備されている16機と合わせ、岩国基地のF35Bは32機態勢に増強されることになります。長崎県の米海軍佐世保基地(佐世保市)には、F35Bなど航空機の運用機能を高めた強襲揚陸艦「アメリカ」も配備されようとしています。日本に駐留する米海兵隊の海外殴り込み能力の強化を狙う危険な動きです。

深刻な基地負担を増大

 F35Bは、短距離離陸・垂直着陸が可能な戦闘機で、レーダーなどによる探知が困難なステルス(隠密)性を持っています。米軍では、海兵隊が運用しており、陸上・海上にある目標への攻撃、敵機の迎撃などが任務です。

 米海兵隊がこのほど公表した「2019海兵隊航空計画」によると、岩国基地で新たなF35Bの配備が始まるのは、2020年10月からです。現在、配備されている第242戦闘攻撃中隊のFA18D戦闘攻撃機12機を、16機のF35Bと交代させます。

 岩国基地には、17年に16機のF35B(第121戦闘攻撃中隊)が既に配備されています。今回の追加配備によって、F35Bの部隊は2個中隊・32機となります。18年に完了した、米空母艦載機部隊の移駐に加えて、基地機能をさらに強化し、深刻な基地負担をいっそう拡大することは明らかです。

 一方、佐世保基地では、現在、配備されている強襲揚陸艦「ワスプ」(満載排水量約4万1000トン)が、最新鋭艦の「アメリカ」(同約4万4000トン)に交代すると報じられています。

 米海軍の強襲揚陸艦は、空母のような広大な飛行甲板を持ち、米海兵隊の歩兵部隊とその装備、航空機や上陸用舟艇などを輸送する海外遠征用の艦船です。

 米海軍協会のニュース(今年1月17日付)などによると、「ワスプ」は年内に整備のために米本国に帰還します。「アメリカ」は、「ワスプ」に比べ、航空機の燃料貯蔵量や整備スペースなどを拡大し、F35Bの運用能力を高めています。「アメリカ」の佐世保配備は、岩国へのF35B追加配備と一体のものです。

 こうした動きが、沖縄の過重な基地負担の増大につながることも重大です。沖縄県の米海兵隊伊江島補助飛行場(伊江村)では強襲揚陸艦の甲板を模した着陸帯が完成し、F35Bが離着陸訓練を行っています。岩国への追加配備で飛来回数が増加するのは必至です。

 さらに、「アメリカ」は、F35Bに加え、沖縄県の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に配備されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイやヘリコプターを搭載します。普天間基地に代わる、同県名護市辺野古の新基地建設計画は、軟弱地盤の存在が判明するなど、破綻に直面しています。

「日本防衛」とは無関係

 F35Bや強襲揚陸艦の配備を続けることは、普天間基地の固定化や沖縄の海兵隊の居座りにつながります。

 沖縄や岩国に駐留する海兵隊部隊や佐世保に配備された揚陸艦部隊は、「日本防衛」とは無縁の海外遠征部隊です。これら海外殴り込み部隊の撤退を求める運動と世論を高めることが必要です。


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