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2019年4月8日(月)

きょうの潮流

 福島第1原発事故の被害者訴訟の集会で「とんでもない」と怒りの声が上がりました。東京電力が原発建設を中断している青森県東通(ひがしどおり)村に寄付を申し出たからです。18年度分として2億円を決めました▼寄付と同時に、同村で「原発を建設・運営してまいります」との“宣言”まで発表。茨城県にある日本原子力発電の東海第2原発の再稼働に必要な資金として、東電が1900億円を支援する計画案が報じられたばかりです▼新潟県では自社の柏崎刈羽原発の2基の再稼働もねらっています。事故を起こした当事者が原発を推進―。まるで事故がなかったかのような無責任さです。政府も再稼働を推進しています▼しかし、事故は収束していません。国や東電を相手に被害者が損害賠償を求める集団訴訟が各地で進行中です。原告は全国で1万人を超えるといいます。一審判決で国や東電への賠償命令が相次いでいます▼先月下旬、松山地裁判決が出ました。国の機関が2002年に公表した地震予測「長期評価」に基づいて、敷地の高さを超える津波を同年末時点で予見できたと判断。その予見から東日本大震災まで8年以上あるから、国が東電に対策を講じるよう権限を行使しなかったのは違法だと断じました。要するに事故は人災だったと▼損害額は被害の実態を受け止めたものではありませんでした。判決前に出た記録集に原告の言葉がつづられていました。「まだまだ闘いは続くだろう」と。国と東電がやるべきは再稼働でなく被害者の救済です。


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