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2019年3月26日(火)

主張

大阪のダブル選挙

「都」構想に終止符のチャンス

 大阪府知事選と大阪市長選のダブル選挙は、序盤から大激戦です。この選挙は、大阪維新の会が公明党と「密約」まで結んで推進した「大阪都」構想がすっかり破綻したのに、これをゴリ押しするため、維新の松井一郎府知事と吉村洋文市長が府政・市政を途中で投げ出して、入れ替わり出馬したものです。府・市議選と同時に首長選挙を行うことで府・市議会での「維新過半数」のテコにしようという党利党略ぶりがあらわです。

「異質の悪政」にノー

 維新の暴挙に怒り、「『大阪都』構想に終止符を打つ」と、知事選には小西ただかず元副知事、市長選には柳本あきら元大阪市議が立ち、一騎打ちでたたかっています。

 日本共産党は「明るい民主大阪府政をつくる会」「大阪市をよくする会」とともに、両候補を自主的に支援し、維新政治を転換するために勝利に全力を尽くしています。「カジノ」問題を含め日本共産党と両候補との間には政策の違いはあります。しかし、「都」構想は大阪市という政令市を廃止・分割してしまう「異質の悪政」の最たるものです。これに終止符を打つことは、国政の立場や他の政策での違いをこえ、大阪府民・市民が共同できる大義ある立場です。

 論戦では、小西、柳本両候補が、「都」構想は1500億円もの莫大(ばくだい)な分割コストがかかるなどムダを増やすことを批判しています。いま大阪が直面する子どもの貧困や中小企業支援、教育環境整備こそ優先すべきで、府も市も、住民の代表として力を注ぐべき課題はそこにあると訴えています。メディアは「都構想をめぐる最終決戦」と報じています。維新側は「大阪は成長してきた」「府・市(ふし)あわせの元に戻してはいけない」などという話ばかりで、大阪が直面する課題にてらした“都構想の大義”を語れなくなっています。

 府知事・市長のあり方そのものも問われています。小西候補は「成長を分かち合える大阪」を掲げ、衛星都市とも連携する本来の府政の姿を取り戻すことを表明しています。柳本候補も第一声で「大阪市を存続させた上で、『経済新首都』を、ここ大阪に実現」「維新支持者の意見も聞き、270万市民を代表する、『日本一忙しい市長に』」と訴えています。

 テレビ討論で“松井市長、吉村知事になってからの仕事は、大阪市の解体?”との視聴者からの疑問に、松井氏は「われわれは知事・市長という権力者を一人に」と主張しました。小西候補は「非常に重大な発言。権力の座ではなく、住民の代表です」と批判しました。政治姿勢の違いも鮮明です。

自治と民主主義のために

 維新は、小西、柳本両候補への「野合」批判に躍起です。しかし、「異質の悪政」である「都」構想を終わらせるという府民と市民の大義のため、保守をはじめ各界各層が立場を超えて共同しているのが、いまのたたかいの姿です。反対勢力を「敵」呼ばわりし異論に耳を傾けず、自らの野望のためには「密約」でもゴリ押しでも何でもありで、府政も市政も選挙も私物化して恥じない維新に、府民の大きな共同を「野合」などと中傷・攻撃する資格はありません。

 4月7日の投票日を、文字通り、庶民のまち・大阪が自治と民主主義をよみがえらせた日にしようではありませんか。


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