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2019年3月21日(木)

北海道知事選 石川ともひろ候補(45)

共闘の力で道政転換

 北海道知事選は21日告示(4月7日投票)です。市民と野党統一の石川ともひろ候補(元衆院議員)と、16年にわたって国・官邸言いなりの高橋道政を引き継ぐ自民・公明が担ぐ鈴木直道候補(前夕張市長)との一騎打ちの様相。大激戦となっています。(高橋拓丸、名越正治)


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(写真)大声援に応える石川知事候補(右)とデニー沖縄県知事=20日、札幌市

国にもの言える知事を

「カジノより国保値下げ」

 割れんばかりの歓声と拍手を浴びて、玉城デニー沖縄県知事と石川候補ががっちり握手を交わしました。20日夜、札幌市では両氏を囲み、日本共産党、立憲民主党、国民民主党、社民党の地方議員らが並び、出村良平選対委員長(連合北海道会長)の音頭で「団結がんばろう」を全員で唱和し、“北と南から安倍自公政権を挟み撃ちにしよう”との熱気があふれました。

 長年続いた自公主導の道政は、いまやクマが出没する苫小牧東部開発や不要不急の国直轄ダムの建設、1000億円もかけて時間短縮はわずか8分の道路など巨大開発の“負の遺産”が至る所に。安倍自公政権の「国策追随」が道民の暮らしにいっそう深刻な事態を与えています。

 これに対し石川候補は、「中央依存の転換」を掲げ、「道民が主人公」の道政へ切り替えを訴えています。

 道民を苦しめる消費税10%増税とともに、重大争点となっている高すぎて払えないと悲鳴が上がっている国民健康保険料(税)では、志位和夫委員長を迎えた10日の党演説会で「国に対して間違っていると言う、たたかう知事が必要です。カジノより国保料値下げを」と強調し、聴衆の拍手喝采を浴びました。

「国策追随」の自公候補

鉄路の寸断、再稼働 曖昧に

 一方、鈴木候補は150の政策を並べていますが、国保には口をつぐみ、カジノを含むIR(統合型リゾート)や、泊原発再稼働などの一大争点であいまいな態度をとり続けています。「お上のやることには口を出さない」とした「国策追随」の表れがここにもあります。

 メディアでも「『国策追随型(官邸言いなり)候補対地方自立型候補』という、沖縄県知事選とよく似た構図を呈してきた」との指摘もあります。

 「国策追随」の最たるものがJR北海道の路線廃止問題です。

 JR北が2016年11月、「単独で維持困難」と言いだし、道内の半分以上13区間の鉄路1237・2キロを切り捨てる計画を発表します。これに先立ち、新夕張―夕張間の夕張線を「攻めの廃線」と称して16年8月、鈴木市長が島田修JR北社長に廃線を逆提案。金銭で鉄路を売り飛ばしました。13日の公開討論会(北海道新聞社主催)でも「全道の公共交通の再編」と「攻めの廃線」を広げることを示唆しました。

 石川候補は、衆院議員時代の選挙区、十勝で、ふるさと銀河線の廃止のつらい経験を告発。地域の企業や有力者らが切り開いた鉄道の歴史を振り返り、道民や観光客の足と道内の農産物の本州への輸送など物流に欠かせないとし、「いったん踏みとどまって、鉄路を残す」と表明しました。

 北海道電力の泊原発(泊村)再稼働でも、鈴木候補は「将来的には依存しない」と言うだけ。再稼働についても態度を一切明らかにしていません。

 石川候補は、畜産バイオマスなどの再生可能エネルギーを北海道の産業として育てる「脱原発」の北海道をめざすと言明。自公主導の道政が国と北電言いなりで推進してきた一極集中の発電から、分散型の発電に転換するとしています。

 自公道政が前のめりで推進するカジノ誘致でも、鈴木候補は「観光客増加の推進力」と記者会見で答えるなど継承姿勢をみせる一方、公開討論会でも政策でも「早急に判断します」とあいまいな表現で逃げています。

 石川候補は「カジノによる経済振興は北海道にふさわしくない。多くの魅力あふれる自然と観光の可能性があります」(公開討論会)と主張。「カジノより北海道らしい文化と経済で世界に飛躍」と掲げ、歴史と生活文化、多彩な自然や豊富な農水産物を生かした食と観光で地域の活性化を進めるとしています。

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(写真)訴える松橋予定候補=20日、北海道苫小牧市

共闘を支える力に期待

共産党の議席大きく

 市民と野党の共闘でたたかう道知事選とともに、札幌市長選(24日告示、4月7日投票)でも共産党は、新社会、自由両党、幅広い市民との共同で渡辺たつお市長予定候補を推薦しています。

 「石川知事の誕生と日本共産党の躍進で道民が主役の道政を今度こそ」との党候補の訴えには、市民と野党の共闘を進める共産党への新たな期待が広がり、大きな反響が寄せられています。

 道議選苫小牧市区(定数3)から立候補する松橋ちはる予定候補=新=は、昨年10月から続けてきた街頭宣伝が20日で1000回を超えました。車から手を振る男性や道行く高齢者が手を振り「苫小牧を賭博場にする自民に負けるな」「共産党頑張れ」と声援を送りました。

 家から飛び出してきた男性(44)は前回は自民党に投票したといいます。「もう自民、公明には入れない。松橋さんが道議会に行って石川知事を支えてほしい」と激励しました。


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