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2019年3月14日(木)

きょうの潮流

 その駅は、釧路から根室にむかう花咲線の途中にあります。初田牛(はったうし)駅。アイヌ語に由来する交通の拠点は、来年の開業100周年を前に、あす廃止されます。根室本線でつながる尺別(しゃくべつ)、直別(ちょくべつ)の両駅とともに▼廃駅が決まると、鉄道ファンらでにぎわう光景はここでも。JR北海道は、今月いっぱいで夕張線をなくすことも決めています。次々と消えゆく鉄路や駅。道内の鉄道網は国鉄民営化をへて、半世紀前から半分近くも縮みつつあります▼苫小牧と様似(さまに)を結ぶ日高本線も廃線を迫られている路線の一つ。広大な原野と太平洋をのぞむ列車は1913年に製紙会社によってつくられ、沿線の労働者や学生たちを運んできました。しかし、4年前の高潮で寸断されたままです▼いま沿線の町では市民らが存続を求める運動をひろげています。むかわ町では、町外から鵡川(むかわ)高校に通う学生のために来年度からJRの通学定期券を支給することを決定。生徒の利便をはかりながら、同線の利用増にもつなげようとしています▼JR北の相次ぐ廃線は告示が近い道知事選でも争点に。「攻めの廃線」を打ち出す自公の候補に対して、市民と野党の統一候補、石川ともひろ氏は基幹的な交通機関である「鉄路を活(い)かす」と▼地域や人びとの足となってきた鉄道の存続問題は全国でも。背景には大都市圏にヒト・モノ・カネを集中し、地方を冷たく切り捨ててきた長年の自民政治のゆがみがあります。ふるさとと、自治をとり戻そう。列島にひびく声はここにも。


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