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2019年3月9日(土)

きょうの潮流

 敵役として来日しながら、日本が大好きになりました。長く暮らし、子を育て、たくさんの友人も。日米の友好に努めた生涯でした▼きのう、88歳の訃報が伝えられた覆面レスラーのザ・デストロイヤーさん。得意の4の字固めを駆使し、力道山やジャイアント馬場らと“名勝負”を展開。バラエティー番組にも出演し、お茶の間の人気を集めました▼来日前は、真珠湾を攻撃した日本は敵だと信じていたそうです。しかしプロレス仲間をはじめ日本人の優しさにふれ、親日家に。帰国後も子どもたちのスポーツ交流を続け、東日本大震災の支援にも駆けつけました▼まさに国境をこえた結びつきの典型のような活動でした。翻ってこの人はどうか。米大統領との個人的な親密さをアピールする安倍首相です。「日本は米国に少なくともさらに七つの大きな工場を出す」。またもトランプ氏から漏れ聞こえてきました▼1機116億円もの欠陥戦闘機を爆買いしたり、ノーベル平和賞に推薦したり。沖縄の民意より日米同盟と、米軍新基地の工事にものめり込む。いくら互いの助け合いや絆の強さを強調しても、これだけ「トランプ・ファースト」では家来といわれても仕方がありません▼デストロイヤーさんには日本のレスラーや国民へのリスペクトがありました。そして日本の良さを祖国でも広めたいという思いも。日本の首相という立場も役割も投げすて一方的にすり寄るだけでは、国同士も個人でも、親善を深めることなどできないでしょう。


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