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2019年3月5日(火)

「辺野古に活断層」濃厚

沖縄 地質研究者ら調査

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(写真)活断層の可能性を示す段丘のノッチとベンチ=3日、沖縄県名護市辺野古

 「活断層の活動を示す明確なデータを確認できた」―。沖縄県名護市辺野古米軍新基地建設の予定地・海域で、断層の現地調査を実施した地質研究者らはこう述べました。政府が閣議決定までして否定する活断層問題は「新基地建設の可否を左右」する重大なこととして取り組む調査が、1日から4日まで行われました。

 調査したのは大学、行政、民間コンサルタントなどの地質研究者でつくる「応用地質研究会」の有志による辺野古活断層調査団(代表・立石雅昭新潟大学名誉教授)。

 調査対象は、県が辺野古新基地建設の工事中止のために行った埋め立て承認撤回の理由として指摘している、新基地のV字形滑走路地下を走る辺野古断層と、北側の大浦湾に突き出す護岸に沿って走る楚久(そく)断層です。

 調査団一行は、名護市二見、辺野古地区に沿った陸・海上で実施。活断層と深く関わる段丘などの基盤岩のズレ、地質構造を明らかにするトレンチ調査、活断層を立証するための音波探査に備えて、グラスボート船によるサンゴ礁や海底地形の観察などに取り組みました。

 辺野古漁港の対岸の豊原段丘の波食ノッチ(くぼみ)の直下と同段丘の南西の海岸で、今回確認された「地震性隆起ベンチ」から、断層が比較的新しい時期に動いた可能性が示されました。

 ノッチは、打ち寄せる波で浸食された段丘の崖に開けられた“くぼみ”。ノッチは海面から5メートルほどの高さにあり、その直下に水平状の岩が確認されました。それがベンチで、ノッチとベンチのセットの存在が、地震による隆起を示すとされています。

 立石代表は報告会議で「ノッチとベンチのセットは、6000年前より新しい時代の複数回の地震動で隆起したことを示す重要なポイントだ。活断層の疑いが一層高まったと言える。この地震が辺野古断層、楚久断層のどちらが動いたものかは不明」と説明しました。

 調査団は今後も調査を継続しながら、沖縄防衛局に対し、予定海域での全調査データの公表を迫る構えです。


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