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2019年3月1日(金)

横田基地の土砂搬入 埼玉・所沢

オスプレイ絡み

新たな住民負担 基地強化と一体

 在日米軍横田基地(東京都福生、羽村、昭島、立川、武蔵村山の5市と瑞穂町)で始まった外周道路の付け替え工事は、米空軍特殊作戦機CV22オスプレイの専用施設建設工事の搬送路としての使用を前提としていたことが、米軍の文書でわかりました。付け替え工事で発生する約3万7000立方メートルの土砂は米軍所沢通信基地(埼玉県所沢市)に搬入するため、所沢市は反発しています。地元自治体を無視した土砂搬入は横田基地の強化と一体だったことが鮮明になりました。(佐藤つよし)


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(写真)工事でくずされる横田基地の盛り土=東京都瑞穂町

 文書は、米軍がオスプレイ専用施設を建設する2期工事(今年11月~2022年6月)の入札業者募集で公表したもの。建設予定地と搬送経路を示す図面には、作業員用の道路として外周道路の付け替え部分を明記。その東西に1カ所ずつと基地東側のIHI(旧石川島播磨重工業)瑞穂工場との境界近くに、新たなゲートを設置する計画となっています。掘り起こした残土や建物解体で発生した廃棄物・がれきは基地外の許可された埋め立て地に搬出するとしています。

 横田基地では滑走路西側の格納庫2棟の改修や駐機場6機分設置、誘導路の耐熱工事などの1期工事を17年9月に完了。追加5機の配備に向けた2期工事は▽オスプレイの整備を行う格納庫▽特殊作戦群司令部▽オスプレイ飛行隊作戦施設▽駐機場4機分―などの建設を計画しています。

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 オスプレイ配備だけでなく、横田基地全体の強化も土砂搬入の背景にあります。

 14年には、離着陸の増加で滑走路のオーバーランを横切る外周道路が頻繁に通行止めになり渋滞が発生し問題になっていました。横田基地のホームページは、付け替え工事について「18カ月間の工事後には、(離着陸の際に自動車の通行を止める)航空機通行信号機はもはや不要となる」(1月15日付)としています。

 米国のイラク撤退完了宣言(11年12月)後のアジア重視戦略の下で、横田基地では配備されているC130輸送機の編隊・低空飛行訓練が頻繁に行われ、海兵隊や陸軍特殊部隊によるパラシュート降下訓練も増加しています。

 福生市の調査では、イラク戦争中の04~11年度では1万回を切っていた飛行回数は、12年度以降は毎年1万回を超え、今年度も1月までの10カ月間で9744回と1万回を超えるのは確実です(グラフ)。外周道路の付け替えと所沢通信基地への土砂搬入は、横田基地が米軍の出撃基地として強化されるなかで、周辺自治体や住民に新たな基地負担を押し付けるものとなっています。

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