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2019年2月21日(木)

きょうの潮流

 雨上がりの夜空に明るく浮かぶスーパームーン。ふだんより大きく見える満月は幻想的で、照らされるものまでいとおしく感じます▼「これは、一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な跳躍だ」。米国の宇宙飛行士が月に降り立ってから今年で50年。世界各地でイベントが催され、いま日本でもニール・アームストロング船長を主人公にした「ファースト・マン」が上映中です▼当時、米ソで争っていた宇宙開発。政治利用された膨大な計画はアポロ11号の月面着陸によって熱狂をもたらし、いちやく3人の飛行士を英雄に祭り上げました▼しかし、亡くなったアームストロングが唯一公認し、映画の題名にもなった伝記を読むと、実直に任務と向き合った彼らの姿が浮かび上がります。祖国や自分たちの偉業というよりも人類のためのものだったと考えていたことも。実際、月に残してきた銘板には“われら全人類の平和を希求してここに来たり”と記されています▼「わが政権は宇宙を戦闘領域と認識している」。トランプ大統領が宇宙軍の創設に向けて手続きを始めるよう国防総省に指示しました。宇宙兵器の開発を進めるロシアや中国に対抗するため、国家安全保障の優先事項だと▼際限のない軍備と、自国第一主義。伝記のなかで飛行士の一人が宇宙から見た地球を思って話しています。「戦争はたいてい領土争いだったり国境紛争だったりするが、宇宙から見れば地上に好き勝手に引かれた国境なんて見えないのだ」


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