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2019年2月19日(火)

論戦ハイライト

勤労統計不正受け高橋氏が追及

重大性認め、謝罪を

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(写真)質問する高橋千鶴子議員(左)=18日、衆院予算委

 18日の衆院厚生労働委員会で、厚労省の毎月勤労統計の不正・賃金偽装問題についてただした日本共産党の高橋千鶴子議員。公的統計への信頼が失われ、2012年以前のデータが足りないため正確な統計データを失ってしまったとして「事の重大性を率直に受け止め、国民に謝罪すべきだ」と述べ、全容解明を求めました。

数字でウソつく

 高橋氏は、昨年も安倍首相の答弁がきっかけとなって、裁量労働制の労働時間データがねつ造され、比較できないデータの比較や元データの異常値などが発覚したとして「数字でウソをつく」結果となったことを指摘。このときも、厚労省は内部職員による監察チームの検証で済ませたとして「これは厚労省の常とう手段か」とただしました。根本匠厚労相は、「常設の監察チームのメンバーで基礎的な事実関係の把握を行った」としか答えませんでした。

 高橋氏は、毎月勤労統計の不正・賃金偽装問題で調査にあたっている厚労省の特別監察委員会の樋口美雄委員長が2009年の統計法改正当時から14年まで統計委員長を務めてきた点などをあげ、次のようにただしました。

 高橋 長年にわたって行われてきた不正は許せないものではないか。

 樋口 長年統計に携わってきた者の義務であり、使命感からこの仕事を受けた。

 高橋氏は「その使命感が傷つけられる結果になったのではないか」と強調しました。

誰が何のために

 さらに、高橋氏は、毎月勤労統計で500人以上の事業所の全数調査を厚労省が不正に抽出していたことについて、「どこまでわかっていたのか」と追及。当時の厚労省の統計部門責任者だった酒光一章元政策統括官は「全数調査であるところが抽出であったことは聞いていたが、制度を十分に検証した上だったらありうると思っていた」などと答えました。

 高橋氏は、毎月勤労統計では従業員499人以下の事業所でも東京都だけ他の道府県と違う抽出率で行い、復元だけは全国一律のやり方で行うなどデタラメな調査方法だったことを指摘し、次のようにただしました。

 高橋 一体、誰が何のためにこんなことをしたのか。こんな細かい技術的な計算を「漫然と」引き継ぐなんてことはできない。

 酒光 499人以下の事業所については在任中に把握していなかったので、理由はよくわからない。

 高橋氏は、複雑な手法で不正調査が行われてきた点をあげ、「組織的にやらないとできない」と指摘。お手盛り調査を追認している根本厚労相に対して、「大臣資質が問われる」と厳しく批判しました。


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