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2019年2月18日(月)

日韓関係 世界の模範に

徴用工裁判 来日の遺族「解決早く」

 第2次世界大戦中、日本の植民地下の朝鮮半島から連れてこられ、日本の企業で強制的に働かされた韓国人元徴用工たち。徴用工被害者の遺族3人が14日に来日し、一日も早い解決を求めました。謝罪と損害賠償を求めて三菱重工を相手に裁判を起こした、父や姉の遺志を受け継ぎ原告となった李圭梅(イ・ギュメ)さん、朴在勲(パク・ジェフン)さん、呉哲錫(オ・チョルソク)さんです。(栗原千鶴)


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(写真)三菱重工本社に面会を申し入れた原告の(左から)朴在勲さん、李圭梅さん、呉哲錫さん=15日、東京都

 李さんの父親は、1944年に広島にあった三菱重工に連行されます。重労働に従事させられましたが、終戦までの18カ月間、一度も賃金を受け取ることはありませんでした。45年8月6日の原爆投下で被爆。爆風で体中にガラスの破片がささり、体の中に残った破片によって晩年まで痛みに苦しみました。

 父親は韓国に戻っても、強制労働で痛めた手首のため農作業もできませんでした。貧困にあえぎ、李さんは小学校を卒業後、給料の高い危険な仕事に従事したといいます。

 14日に東京都内で開かれた支援集会では、会場いっぱいの参加者を前に「日本の人たちがこんなに関心を持ってくれていることを今日初めて知った」と李さん。「父親が生きているときに、もっと裁判を手伝うことができればよかったが、それができず申し訳なく思う」と語りました。

 朴さんは「日韓の弁護士や支援団体が、ここまで引っ張ってきてくれた」と支援に感謝を述べ、早期解決を訴えました。

 「遠くの親戚より近くの他人ということわざがある」と切り出した呉さんは「韓国と日本は近い国。日韓が世界で一番、模範的な関係になるようにしたい。日本のみなさん、力を貸してください」と語りました。

 3人の原告は15日、三菱重工本社を訪問。面会を要求しましたが、会社側は拒否しました。支援者は賠償方法などについて協議を申し入れており、2月末までの回答を重ねて求めました。


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