2019年2月8日(金)
論戦ハイライト
参院予算委員会 倉林議員の質問
高すぎ国保料 生存権脅かす
首相「構造的な問題がある」
7日の参院予算委員会で日本共産党の倉林明子議員は、高すぎる国保保険料を国費投入で引き下げることを求めました。
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「総理として、地方からの要望に正面から応えるべきだ」とただした倉林議員。高すぎる国民健康保険料・税が住民の生存権を脅かしていると述べ、▽1兆円の公費投入で国保料を「協会けんぽ」並みに引き下げる▽子どもにかかる国保料の「均等割」を廃止する―という要望を実現するよう迫りました。
家計が苦しくて国保料が支払えずに正規保険証が取り上げられ、医療にかかれなくなった「手遅れ死」が後を絶ちません。“わずかな農業収入や母親の基礎年金で暮らしていた50代男性は、国保料が支払えず国保証が期限付きの短期証になり、大腸がん手術後の治療を中断。あまりの痛みで救急搬送されたものの受診後1カ月で死亡”などの事例が、全日本民主医療機関連合会の調べだけで2017年に63件もありました。
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「本来なら救えたはずの命ではないか」と声を強めた倉林氏。その背景にある国保の問題点を問いただすと、安倍首相は「たしかに高齢化の進行や無職・非正規雇用労働者など低所得加入者が増加する等の構造的な問題がある」と認めました。
倉林氏は、国保料を協会けんぽ並みに引き下げるために1兆円の公費投入を訴えた全国知事会の要望を実現すべきだと強調。「財源と言うならアベノミクスでもうけている人にこそ負担してもらうべきだ」と述べ、株取引への税率を欧米並みの30%に引き上げれば1・2兆円が確保できると提案しました。
さらに倉林氏は、世帯人数が多いほど保険料が高くなる均等割が国保だけにあり、負担をいっそう重くしている実態を告発しました。
倉林 加入する医療保険によって負担や給付に大きな格差があることは大問題だ。なぜ均等割が国保だけにあるのか。
根本匠厚労相 被保険者全体の相互扶助で支えられている。応分の保険料を負担してもらう必要がある。
倉林 均等割はゼロ歳児にもかかる。人間の頭数で負担を課すのは古代の人頭税と変わらない。
倉林氏は「子育て支援への逆行に他ならない」と述べ、欧米諸国の実態を問いました。
樽見英樹厚労省保険局長 ドイツでは自営業者の公的医療保険は任意加入だ。民間保険はそれぞれの契約による。
倉林 よっぽど言いにくいのか。ドイツの公的医療保険料は所得割だけだ。フランスやスウェーデンの医療保険料も所得比例型だ。子どもから人頭税をとっているのは日本ぐらいだ。子育て支援というなら、子どもの均等割を廃止すべきだ。
倉林氏は、均等割などを廃止し、国保料を協会けんぽ並みに引き下げることを訴え、「市民のみなさんと力を合わせて実現させる」と強調しました。