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2019年2月8日(金)

主張

自民大会改憲方針

道筋づくり許さず、退陣の声を

 自民党が10日に定期大会を開き、統一地方選・参院選に向け、今年を「決戦の年」と位置づけるとともに、「憲法の改正に向けて道筋をつける覚悟」と明記した運動方針を決めようとしています。9条改憲に固執する安倍晋三首相(自民党総裁)の意を受け、改憲策動に拍車をかける狙いですが、国民が望んでもいない改憲を押し付けるのは、最悪の立憲主義の破壊です。国民の世論と運動で、改憲への道筋づくりを許さず、安倍政権そのものを、退陣に追い込むことがいよいよ重要です。

あくまで9条改憲に固執

 自民党の運動方針案は、「わが党は憲法改正を党是とした保守政党である」と表明し、「時代の転換点に立つ今、改めて国民世論を呼び覚まし、新しい時代に即した憲法の改正に向けて道筋をつける覚悟」と強調しています。

 安倍首相は今国会の施政方針演説で「国会の憲法審査会の場において、各党の議論が深められるのを期待いたします」と述べ、閣僚などに求められる憲法尊重擁護義務も三権分立の原則も踏みにじり、改憲の旗を振り続けています。自民党改憲推進本部の下村博文本部長も1日の日本記者クラブの会見で「教育無償化や『緊急事態条項』など、9条より先に他党とまとまれるテーマがあれば、早く(改憲案を)発議すべきだ」としつつ、9条改憲について「一丁目一番地を引っ込めたわけではない」と言い、執念を隠しません。

 安倍首相は衆参の本会議での代表質問で、自民党議員の質問に答える形をとって、「今なお自衛隊に関するいわれなき批判や反対運動、自治体による非協力な対応」があるとして、9条に自衛隊を書き込めば、それをやめさせることができると主張しました。

 とんでもないことです。国民が危険な軍拡や平和な暮らしを脅かす自衛隊の演習などに反対するのは主権者として当然の権利です。自衛隊員の募集活動などに協力するのもしないのも、それぞれの自治体の判断に任されるべきものです。9条改憲によって自衛隊への批判を封じ、国民の権利や自治体の権限を制約しようという、首相の発言は重大です。

 もともと安倍首相が安保法制=戦争法の強行など憲法破壊を重ねたあげく、一昨年5月の改憲派の集会などで9条に自衛隊を書き込む明文改憲を持ち出したのは、自衛隊が大手を振って、海外での戦争に参加できるようにするためです。憲法9条に「自衛隊」を書き込めば、1項、2項の戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認の規定が空文化・死文化します。

 どんなに理屈をつけても、危険な改憲は許されません。

憲法守らず改憲資格ない

 直近の世論調査でも、改憲発議に必要な参院での3分の2の議席を改憲派が維持することを「期待しない」が47%(「毎日」4日付)、安倍首相の下での改憲に「反対」が56・7%(共同通信、同日付「東京」など)を占めています。改憲反対は国民世論です。

 憲法を守らない首相に改憲を語る資格はありません。自民党はすべての小選挙区支部に改憲推進本部をつくるなど、“草の根”からの改憲を企てています。全国各地での「九条の会」の活動や3000万人署名をさらに広げ、改憲策動を打ち破りましょう。


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