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2019年2月5日(火)

きょうの潮流

 闇から闇に真実が葬られていた。この春には3度目の入学式が行われ、日の丸・君が代はもちろん、子どもたちに教育勅語をそらんじさせる小学校がここに生まれていたかもしれない▼近畿財務局の元職員の言葉を想像し背筋が凍りました。9億5600万円の国有地をただ同然で譲り渡した森友問題が発覚してから2年がたちます。舞台となった大阪・豊中市で改めて真実を語り合う集会がありました▼「こんな事案は後にも先にも1件だけ。無理筋なことをやらされた」。ずさんな買収計画、主客逆転の対応、異例の貸し付けや値引き―。実務に携わってきた元職員の発言は取引の異様さを際立たせました▼動き始めたのは、小学校の名誉校長だった安倍昭恵氏と学園理事長の夫妻が一緒に撮った写真を見せられてから。首相夫人が深く絡んだ案件だったからこそ、権力の圧力によって取引がゆがめられ、その後の公文書改ざんまでつながったと▼今も豊中市の一角に建つ「瑞穂の國記念小学院」は柵に囲まれ、建材が置かれたままの校庭には雑草が生い茂っていました。隣接する公園で女児を遊ばせていた若い父親は「もったいない。国有財産なんだから社会に役立ててほしい」▼市民の運動やメディアの追及、野党のがんばりがなかったらと思うと本当に恐ろしい。不当なことに巻き込まれて命を落とした近財職員の無念も胸に関係者は声を上げ続ける大切さを訴えました。「しかるべき人物に、しかるべき責任をとらせるまで終わりはない」


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