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2019年1月31日(木)

ムール貝 はがれやすく

マイクロプラスチック 生態系に影響

 マイクロプラスチックがムール貝(ヨーロッパイガイ)の生存を脅かしていることがわかったと、イギリスのアングリア・ラスキン大学などの研究グループが科学誌『エンバイロメンタル・ポリューション』(29日付)に発表しました。ムール貝は食材としても重要で、生存が脅かされることによる生態系への影響を含め、全世界で年間数千億円の損失につながる可能性があるとしています。

 マイクロプラスチックは、5ミリメートル以下の微小なプラスチック。海へ流れ出したプラスチックごみが壊れて小さくなったものや、洗顔料などに含まれていたもともと小さなプラスチック、さらに化学繊維でできた衣料品の洗濯くずなどからなります。

 研究グループは、レジ袋などに大量に使われているポリエチレンのマイクロプラスチックを加えた海水にムール貝を52日間入れ、通常の海水に入れたものと比較しました。

 その結果、マイクロプラスチックを加えた海水に入れたムール貝は、岩などに付着するための足糸という繊維の数が少なくなることがわかりました。付着力は、通常の海水に入れたものの約半分に低下したといいます。

 ポリエチレンのマイクロプラスチックを加えた海水に入れたムール貝は“血液”中のタンパク質が大きく変化していましたが、生分解性のマイクロプラスチックの場合は変化が小さいこともわかりました。

 ムール貝が波に洗われても岩に付着して生きていけるのは足糸の働きによります。付着力の低下は、ムール貝の生存を脅かすことになります。またムール貝の付着した岩場は、ほかの動物や植物の生息の場でもあり、生態系へも影響するといいます。


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