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2019年1月25日(金)

主張

2019国民春闘

賃上げ・時短で経済の再生を

 2019年国民春闘は、統一地方選と参院選という二つの連続する全国的な選挙の年に取り組まれます。これは、国民的諸要求を掲げ、国民とともにたたかう国民春闘にとって、大きな追い風となります。全国規模の選挙は、職場でも地域でも労働者・国民の政治的な関心を大きく高めるからです。

二つの連続選挙と結んで

 二つの連続選挙では、暮らしと経済に大打撃を与える10月からの消費税率10%への増税が一大争点です。消費税増税でなく大幅賃上げ、「働き方大改悪」を職場で阻止して労働時間の短縮、教育と社会保障の充実、中小企業支援の拡大―。これこそ国民春闘の旗印であり、日本経済をまともに発展させる最良の景気対策です。

 全労連・国民春闘共闘委員会は2万5千円の賃上げと「真の働き方改革」―最低賃金の全国一律制と時給1500円への引き上げ、非正規雇用の正規化、「サービス残業」根絶と年休の完全取得、週休2日の完全実施―を掲げています。実現すれば、国内総生産(GDP)を34・8兆円増やし、雇用643万人増、税収6・35兆円増の波及効果があります(労働運動総合研究所〈労働総研〉の「産業連関分析」)。連続選挙の争点と国民春闘の要求がぴたりと一致します。

 これらの実現には、大企業の内部留保のごく一部を取り崩すだけで十分です。財界は「企業の成長に不可欠」などの詭弁(きべん)を弄(ろう)し「内部留保は取り崩せない」と主張しますが、資本金10億円以上の大企業の内部留保は440兆円を超え、昨年は30兆円以上も積み増しているという、巨額さを見るだけでも成り立たない議論です。浮かび上がるのは、経営者が内部留保を企業のまともな発展に投資する能力も意思もないという実態です。

 しかも、ため込みの利益は、賃金カット、人員削減、下請け単価切り下げ、大企業減税の恩恵などによるものです。こうした「コストカット経営」には正当性も、未来もありません。それどころか、日産のゴーン前会長逮捕に象徴されるモラルハザード(倫理崩壊)そのものです。日本共産党が昨年開催した職場党組織の交流会議「職場講座」では、いくつもの大企業職場から「企業と産業のあり方をめぐって管理職を含む労働者との対話が進んでいる」との発言があり、注目を集めました。

 国民春闘が掲げる9条改憲NO!、辺野古新基地建設反対、大軍拡許すな、原発ゼロ、安倍晋三政権の暴走政治ストップなど平和と民主主義の課題も、連続選挙の争点です。強権政治を終わらせるたたかいは、大企業優先政治をやめさせるたたかいと一体です。

「総がかり」の経験生かし

 ナショナルセンターの枠を超え、平和の課題で労働組合運動と市民運動、野党との新たな共闘をつくってきた「総がかり」運動の経験の蓄積を生かす時です。

 経済課題と政治的要求が結びつき、国民春闘と連続選挙が結びつき、労働組合運動と、市民と野党の共闘が結びつく時、労働者のたたかうエネルギーが高まります。今年の春闘は、財界・大企業の横暴と安倍政権の暴走を打ち破る絶好のチャンスです。職場で地域で、働く実態から出発して、企業と産業の将来、地域と日本の未来を語り合い、国民春闘の新たな歴史を切り開きましょう。


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