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2019年1月20日(日)

政府 説明から「国際法」消す

米軍に「国内法不適用」

 在日米軍の特権的地位を定めた日米地位協定をめぐり、「国際法」を根拠として日本の国内法を適用しないとの政府の説明が修正されていたことが分かりました。ドイツやイタリアなどと同じように、米軍への国内法の適用を求める声が全国で広がる中、批判の声をかわす狙いがあるとみられますが、主権を放棄する「国内法不適用」の原則は変わっていません。

 外務省ホームページに記載されている「日米地位協定Q&A」ではこれまで、「一般国際法上、駐留を認められた外国軍隊には特別の取決めがない限り接受国の法令は適用されない」と説明してきました。しかし、この点については批判が相次いでいました。

 日本弁護士連合会の「日米地位協定に関する意見書」(2014年)は「外国軍隊を受入国の国内法令の適用から免除する一般国際法の規則は存在しない」と指摘。ウィーン条約(69年)に基づく「領域主権の原則」が米軍にも該当すると指摘しています。

 さらに米国務省の国際安全保障諮問委員会が公表した地位協定に関する報告書(15年)も「当該国の法令が適用されるのが一般原則だ」と明記しており、外務省の説明と真っ向から反しています。

 「国際法」を根拠にした説明が破綻に追い込まれるもとで、外務省は11日、ホームページでの説明を「一般に…当該外国軍隊及びその構成員等の公務執行中の行為には、派遣国と受入国の間で個別の取決めがない限り、受入国の法令は適用されません」と変更。「国際法」という言葉を削除しました。

 この変更について外務省は「国民の皆様に対しできる限り分かりやすく説明するために行ったものだ」と回答しています。しかし、国内法不適用の理由を「一般」論にしたことで、いっそう曖昧な説明になっています。同省は「改訂の前後で趣旨が異なるものではない」と強調。国内法不適用の原則は変わっていないとの見解を示しています。

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