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2019年1月20日(日)

主張

自民幹部改憲発言

終止符を打つのは焦眉の課題

 改憲に執念を燃やす安倍晋三首相(自民党総裁)の下で、自民党役員に起用されたメンバーから、改憲をめぐる発言が相次いでいます。改憲推進本部長の下村博文氏が、「新元号の年に憲法改正の流れを」と述べたのをはじめ、総務会長の加藤勝信氏も、改憲実現に「汗をかく」「地道な努力をしっかりと重ねていく」などと表明しました。自民党は昨年の臨時国会ではできなかった改憲案の国会提示を、通常国会で強行しようと企てています。安倍首相が旗を振る改憲策動に終止符を打つ、野党と国民のたたかいが急務です。

執念燃やす首相の意受け

 安倍首相は年明け後も、「国会において活発な議論がなされ、できる限り広範な合意が得られることを期待する」(4日の年頭記者会見)、「新たな国づくりに挑戦する1年にしていきたい」(5日の地元・山口県下関市での後援会新年会で)と繰り返し、改憲実現への執念を隠そうとしません。首相が一昨年5月に明らかにした、9条に自衛隊を書き込むなどした「新憲法」を、2020年から施行したいとの考えには「全く変わりはない」(6日のNHKインタビューで)と言い切っています。

 安倍政権が当初描いていた、昨年の臨時国会への自民党改憲案の提示を許さず、3分の2の多数で国会で発議、国民投票に持ち込むというスケジュールを大きく狂わせているのは、憲法を守り生かす野党と国民のたたかいです。首相や自民党には、改憲を力ずくでやろうとして国民の怒りを買ったことへの反省が全くありません。

 下村改憲推進本部長が16日の福岡市での講演会で、「新元号の年に憲法改正の流れを」などと発言した(同日のNHKなどが報道)のも、そうした首相の意向を受けたものです。しかし「改元」と改憲は何の関係もなく、こじつけというほかありません。

 最近のNHKの世論調査でも、国会での改憲議論を「早く進めるべき」は23%にすぎず、「急いで進める必要はない」が50%、「議論をする必要はない」が14%を占めます。改憲の議論を押し付けるのは、それ自体、主権者である国民を無視した、立憲主義の破壊です。

 加藤総務会長が同日の日本記者クラブで講演し、小選挙区単位で改憲の運動体をつくるなど、「地道な努力をしっかりと重ねていく」などと述べたのも、国民を無視する点では同じです。現に自民党は小選挙区単位に改憲推進本部をつくり、草の根からの改憲運動を進めており、加藤会長の発言は極めて危険です。草の根からの改憲策動には、全国津々浦々での「九条の会」や全国3000万人署名など、草の根からの運動で包囲し、阻止していくことが重要です。

「戦争する国」許さず

 安倍首相が憲法9条に自衛隊を書き込もうと狙うのは、1項、2項の戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認の規定を空文化・死文化し、自衛隊が大手を振って戦争に参加する「戦争する国」づくりのためです。そうした狙いは有害なだけでなく、アジアで広がる平和への流れの中で根拠を失っています。

 今求められるのは改憲ではなく、憲法を守り生かし、世界の平和に貢献することです。国民のたたかいと統一地方選、参院選での審判で、改憲策動を安倍政権もろとも、葬り去ろうではありませんか。


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