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2019年1月14日(月)

きょうの潮流

 学生たちのストライキが始まりでした。ときは1916年、およそ450人もの医学生が同盟して学校を脱退するという事件が起きました▼当時、理事同士が争っていた日本医学専門学校(現日本医科大)。このままでは卒業しても開業の許可を得られないと、決議書や連判状で生徒が強く抗議。自分たちの手で学校をつくろうと立ち上がりました▼まずは、長く官界にいた高橋琢也らの協力を得ながら東京医学講習所を開設。さらに2年後、医学界や政財界から支援をうけ東京医学専門学校を設立しました。これが現在の東京医科大の前身です▼「自らの道は自ら考え抜き、決断し、行動して切り拓(ひら)く。建学の精神である『自主自学』には、こうした熱い意思が込められている」。1世紀前の起源の心意気を同校は今の職員や学生にも伝えています。しかし、実態は創学の理想とはかけ離れていました▼女子を不利に扱う入試差別をはじめ裏口入学が横行していた疑いまで。同窓生や医師の子を優遇したり、教職員や政治家から頼まれた受験生に加点したり。見返りに金銭を受け取っていた可能性も。昨年末にひっそりと出した第三者委員会の報告書で明らかになりました▼「多くの医学生を路頭に迷わすことは日本の存亡にかかわる」。学祖と称される高橋には正しきを求める信念があったといいます。不正やうそがはびこる社会に若者が希望を抱くことはできません。きょうは成人の日。未来をつくる若い力が新しい夜明けを呼ぶことを信じて。


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