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2019年1月12日(土)

きょうの潮流

 「朝鮮人来朝図」という江戸時代の絵があります。朝鮮通信使の一行に、警護や案内役の対馬藩士を加えると2000人もの大行進。ラッパや銅鑼(どら)、太鼓。楽隊の演奏にあわせて江戸町人の歓声が聞こえてくるようです▼外交使節団である通信使が李朝から徳川幕府に初めて派遣されたのは1607年。その後、200年余の間に12回の派遣があったとされています。朝鮮の首都・漢城(現ソウル)から江戸を往復する、ときに1年近くにも及んだ長旅は、善隣友好の証しでした▼「信(よしみ)を通(か)わす」という通信は、親しく交わる意味をもちます。〈高麗船(こまぶね)の寄らで過ぎ行く霞(かすみ)かな〉。江戸中期の俳人・蕪村は通信使の船が港に寄らなかったことを残念がるような句を詠んでいます▼朝鮮通信使に関する資料は日韓の関係自治体や民間団体が共同で申請して2年前、世界記憶遺産に登録されました。いま都内にある高麗博物館では「朝鮮通信使随行画員展」が開かれています▼元徴用工の賠償訴訟やレーダー照射事件をはじめ、なにかとぎくしゃくする両国関係。植民地支配や「慰安婦」問題など、過去の侵略行為に無反省な安倍政権の姿勢が不信感に拍車をかけています▼先月、ソウルで開かれた日韓・韓日議員連盟の合同総会。参加した日本共産党の志位委員長は、植民地支配への反省を明記した「日韓パートナーシップ宣言」の精神に立ちかえり、ともに努力していく大切さを訴えました。両国がふたたび手を結び、信を通わす道がここにあります。


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