しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年1月4日(金)

改定入管法・基本方針

「日本人と同等の報酬」いうが

客観的な判断基準なし

 外国人労働者の受け入れを拡大する改定出入国管理法にかかわって、閣議決定された基本方針は、「外国人の報酬額が日本人と同等額以上」と明記しました。これをどう保障するのか、内容は乏しく、実効性が問われています。

 安倍晋三首相も国会審議で「日本人と同等の報酬を確保する」と繰り返し答弁し、改定入管法でも「外国人であることを理由として、報酬の決定…その他の待遇について、差別的取扱いをしてはならない」(2条)としています。

 問題は、どう日本人と比較して「同等の報酬額」にするのかです。同じ産業・企業で、同じような業務につく日本人労働者がいる場合でも、正規・非正規雇用や派遣労働、勤続年数などで、賃金が大きく異なっています。

 昨年成立した「働き方改革」一括法による「同一労働同一賃金」の省令・指針(ガイドライン)は、日本人労働者の間ですら職務の内容や配置の変更などを理由に格差を容認・固定化する内容です。

 加えて、この極めて不十分なガイドラインと比較しても、改定入管法・基本方針が、どう「日本人と同等額以上」を保障するのか、客観的な判断基準はありません。また、法律が禁止する「外国人であることを理由」とする差別に、日本語の習熟度による差別が含まれるのか、その内容も不明です。

 いまだに深刻な問題が山積する改定入管法は、今年4月の拙速な施行はせず、引き続く議論が求められます。(行沢寛史)


pageup