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2018年12月11日(火)

日本共産党国会議員団総会

志位委員長のあいさつ

 日本共産党の志位和夫委員長が臨時国会閉会日の10日に開かれた党国会議員団総会で行ったあいさつは次のとおりです。


写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=10日、国会内

まともな審議なしの悪法強行―国会愚弄する暴挙に抗議

 臨時国会におけるみなさんの大奮闘に心からの敬意を表します。(拍手)

 閉会にあたりまして、ごあいさつを申しあげます。

 まず述べたいのは、これほど国会を愚弄(ぐろう)する暴走が極まった国会はかつてなかったということであります。

 国会終盤に、安倍自公政権によって、外国人労働者の使い捨て労働をいっそうひどくする改定入管法、浜を企業の食い物にする改悪漁業法、民営化で安全・安心な水道事業を危険にさらす改悪水道法、日本農業を破壊する日欧EPA(経済連携協定)の採決が強行されました。改定入管法の審議時間は衆参でわずか30時間余りです。どの法案もまともな審議なしの強行でした。私はまず、みなさんとともに、安倍政権による国会を愚弄する暴挙に対して強く抗議したいと思います。(拍手)

安倍政権の「強さ」でなく「破綻」の表れ

 そのうえで、一連の法案強行について、二つの点を強調しておきたいと思います。

 第一は、これは安倍政権の「強さ」の表れでは決してないということであります。

 入管法改定案を衆院で強行したさいに、平沢勝栄法務委員会自民党筆頭理事は、「この問題は議論したら切りがない。いくらでも問題が出てくる」と言い放ちました。それを言ってはおしまいというセリフではないでしょうか。

 これまで自民党が強行採決を行うさいの決まり文句は「審議で論点は出尽くした、ですから採決をお願いします」というものでありました。ところが今度は、「いくらでも問題が出てくるからやってしまえ」という。ここまであからさまな議会制民主主義否定の態度は、私は初めてだと思います。今国会を象徴する暴言だったのではないでしょうか。

 国民に説明ができない。だから審議なしで強行する。これは「強さ」の表れでなく「破綻」の表れではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

「禁じ手」中の「禁じ手」の政策―「財界中心政治」の害悪極まる

 第二に、強行された三つの悪法に共通するものがあります。外国人労働者の受け入れ拡大、沿岸漁業への企業参入推進、水道事業の民間開放は、どれも経団連が主導して作成した「未来投資戦略」と「骨太の方針」に明記されていることだったということです。

 安倍政権は、これまでも「成長戦略」と称して、原発輸出、武器輸出、カジノ解禁など「禁じ手」の政策を進めてきましたが、ついに、外国人労働者、沿岸漁業、水道事業という、きちんとした公的規制がなければ成り立たない分野にまで規制緩和を押し付け、財界の食い物にする政策――いわば「禁じ手」中の「禁じ手」の政策にのめりこんでいます。「財界中心政治」の害悪、ここに極まれりと、私は言いたいと思います。

 みなさん、この決着は選挙でつけようじゃありませんか。統一地方選挙と参院選で、市民と野党の共闘を成功させ、日本共産党の躍進で、おごれる安倍政権に退場の審判を下そうではありませんか。(拍手)

沖縄問題で極まった「アメリカいいなり政治」―全国の連帯したたたかいの発展を

 安倍政権の暴走という点では、この間の沖縄に対して行っている強権政治も絶対に許すわけにいきません。

 沖縄では、県知事選挙で辺野古新基地建設ストップの圧倒的な民意が示されました。強権政治は沖縄には通用しないことが証明されました。しかし、安倍首相には「学習能力」がない。自分の誤りから学ぶということを知らない。

 知事選挙の直後にやったことは、行政不服審査法を悪用して、沖縄県が行った埋め立て承認撤回の執行停止を決定するという違法行為でした。政府は、無法に無法を重ねて、今月の14日にも埋め立てを開始しようとしています。沖縄県民の民意よりも、日本の法律よりも、アメリカへの忠誠を上に置く。「アメリカいいなり政治」の害悪、ここに極まれりではありませんか。

 しかし、この道にも展望はありません。仮に力ずくで埋め立てを開始したとしても、基地をつくることはできません。大浦湾側には超軟弱地盤が存在し、ここを埋め立てるには、大規模な設計変更が必要になり、知事の認可が必要になるからです。デニー知事が頑張り、沖縄県民が結束し、全国が連帯すれば、決して辺野古新基地はつくれない。ここに確信をもって、今年から来年にかけてさらに全国の連帯したたたかいを発展させようではありませんか。(拍手)

野党の国会共闘がさらに発展―入管法改定で事実を明らかにし土台を崩壊に追い込む

 この国会での大きな希望は、野党の国会共闘がさらに発展したことにあります。

 「野党合同ヒアリング」は、今年に入ってから、通常国会、閉会中審査、臨時国会であわせて155回に及びました。この国会では、辺野古新基地問題、消費税増税問題、入管法問題、漁業法問題など、さまざまな政策課題での「合同ヒアリング」も取り組まれ、それらを通じて、安倍政権に対する追及のポイントが野党間で共有され、政策的一致が広がったと思います。

 入管法問題では、「合同ヒアリング」で技能実習生の方々から実態をお聞きしたことが衝撃を与え、世論を変える大きな力となりました。政府が提出を拒んだ失踪実習生の聴取票を野党議員が力を合わせて閲覧し、書き写す、世に言う「写経共闘」が行われ、2870人の聴取票のすべてを野党共闘の力で明るみに出しました。そしてそのうちの67・1%、1927人が最低賃金以下の違法低賃金で働かされていた事実を明らかにしました。野党共闘の力で法案の土台を崩壊に追い込んだということを確認し、さらなるたたかいに臨みたいと思います。(拍手)

憲法審査会での自民改憲案の提案を断念に―国民世論と野党共闘の大きな成果

 今国会における野党共闘の最大の成果は、憲法審査会で自民党の改憲案を提案するという、安倍首相が執念を燃やした策動を断念に追い込んだことであります。

 安倍首相は、自民党の要所要所を、「改憲タカ派」の側近たちで固めましたが、そのことがことごとく裏目に出ました。下村博文自民党憲法改正推進本部長が野党を「職場放棄」とののしったことに批判が集中しました。続いて、官邸主導で、会長職権での審査会開催強行というルール破りをやったことに批判がさらに広がりました。そうしたなかで、ついに自民党改憲案の提案を断念に追い込んだことは、国民世論と野党共闘の大きな成果といえるのではないでしょうか。(拍手)

 たたかいはもちろん、これからが大事になってまいります。ここで決して手を緩めることなく、「3000万人署名」を集めきり、安倍9条改憲のたくらみを葬り去るまで頑張り抜こうではありませんか。(拍手)

 今年、大きく発展した野党の国会共闘を、いかにして参院選挙での共闘に発展させるかが重要な課題であります。野党の国会共闘が発展するもとで、6野党・会派の書記局長・幹事長が勢ぞろいした市民連合のシンポジウムで、来年の参議院選挙で「全国32の1人区で候補者を一本化する」ことが確認されたことは、重要な前進であります。この到達を踏まえて、政党間でもそのことを合意をして、具体化のための協議を速やかに開始することを、重ねて呼びかけたいと思います。

日韓・韓日議連合同総会、ベトナム訪問について

 わが党の外交活動について2点報告しておきたいと思います。

 13日から14日まで韓国・ソウルで開催される日韓・韓日議員連盟合同総会に、私を含めて、わが国会議員団から6人が参加いたします。朝鮮半島の非核化と平和の推進、日韓両国間の歴史問題の解決に向けて、力を尽くしてきたいと思います。

 さらに、17日から21日まで、ベトナム共産党の招待にこたえて、私を団長とする日本共産党代表団がハノイを訪問いたします。グエン・フー・チョン書記長・国家主席との会談などを予定しております。世界の平和、東アジアの平和について突っ込んだ意見交換を行い、両党の協力関係を発展させる訪問にしたいと願っております。

 外交活動でも、わが党ならではの活動に、知恵と力をつくして取り組む決意であります。(拍手)

統一地方選・参院選―衆参の国会議員団が党躍進めざすたたかいの先頭に

 統一地方選挙まで3カ月、参議院選挙まで6カ月と迫りました。勝利を勝ち取るためには、今がひとつの正念場となっています。いま全党が文字通りの「トップギア」への「ギアチェンジ」をはかることが必要です。12月中にすべての党支部と党機関が、選挙必勝をめざす臨戦態勢を確立し、広く打って出るようにしたいと思います。

 1月15日から16日には、全国都道府県・地区委員長会議の開催を予定しており、この会議を選挙必勝を目指す跳躍台として成功させたいと考えております。

 衆参の国会議員団が、日本共産党躍進をめざすたたかいの先頭にたって大奮闘する決意を固めあいまして、閉会にあたってのごあいさつとさせていただきます。ともに頑張りましょう。(大きな拍手)


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