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2018年12月9日(日)

首相問責決議案 山下副委員長の賛成討論

参院本会議

写真

(写真)賛成討論をする山下芳生議員=7日午後11時10分ごろ、参院本会議

 第1に、国会を愚弄(ぐろう)する暴走があまりに目に余ります。重要法案の審議が極めて不十分なまま強行しました。事態の震源地は、全て安倍首相です。

 出入国管理法改定案の来年4月施行を急ぐのは「総理のご意向」だと法務省担当者が与党に説明し、与党も法案の衆院通過自体、首相の外遊日程に合わせたと言明しました。水道法改悪案、日欧経済連携協定(EPA)承認案、漁業法改悪案を含め、政府が重要法案をこのように強行するとは戦後国会の歴史でもなかったことです。

 国会の行政監視機能、法案審査機能は与党野党を問わず、国民から負託された最も重い責務。与党の態度は国会議員としての職務放棄であり、こうした態度を取らせているのが首相です。

 第2は、民意無視の強権政治の暴走です。その典型が沖縄への民意を無視した野蛮極まる強権。辺野古新基地建設反対を掲げた「オール沖縄」の玉城デニー氏が沖縄県知事選挙(9月30日)で安倍政権総ぐるみで支援した候補に8万票差で圧勝しました。しかし、行政不服審査法を悪用し、沖縄県の埋め立て承認撤回の執行停止を決め、埋め立て工事を再開しました。民主主義、地方自治、法治主義を破壊する無法な決定です。新基地建設の中止、普天間基地(宜野湾市)の即時閉鎖・撤去、米国と交渉こそやるべきです。

 首相は来年10月から消費税の10%増税を宣言した。低所得者ほど負担が重い消費税増税は、格差拡大、消費の冷え込み、景気悪化を加速させます。増税も首相もお引き取りいただきたい。

 森友・加計問題で首相は関与を示す事実が明らかになっても逃げるばかりです。辰巳孝太郎議員が11月の参院予算委員会で、森友学園小学校建設予定地の国有地を8億円値引きする根拠の試掘報告書が、写真を使いまわすなどデタラメだった新事実を突きつけた際、首相は答弁にたちませんでした。説明できないなら首相も国会議員も辞めるべきです。

 第3に、憲法9条改定への暴走が常軌を逸しています。自衛隊の高級幹部会同、観閲式で9条改憲の決意を語りました。政治的中立を厳格に守るべき実力組織に最高指揮官が改憲の号令をかける。自衛隊の最悪の政治利用で、閣僚に憲法尊重・擁護義務を課す憲法99条違反です。

 首相は臨時国会冒頭の所信表明で「憲法審査会で政党が具体的な改正案を示せ」「国会議員の責任を果たそう」と述べましたが、立法府の審議への事実上の号令です。国会への重大な介入・干渉で、憲法の三権分立を蹂躙(じゅうりん)する暴論に他なりません。

 改憲に固執するのは戦力保持を禁止した9条2項を死文化し、海外での無制限な武力行使に道を開くためです。朝鮮半島で非核化と平和に向けた激動が起こり、憲法9条が示す方向に北東アジア情勢が動いているときに、戦争する国づくりに走るのは愚かです。

 国民多数の世論に逆らい数に頼んで悪法を強行する政治は、必ず主権者の厳しい審判を受けます。参院選挙で市民と野党の共闘を発展させ、安倍政権の一刻も早い退陣のために奮闘します。


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