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2018年12月7日(金)

COP24inポーランド

気候変動対策 健康改善につながる

WHOが強化呼びかけ

 【カトウィツェ(ポーランド南部)=伊藤寿庸】世界保健機関(WHO)は5日、カトウィツェで開かれている気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)で、気候変動対策の実施が人々の健康の改善につながるとする特別報告書を発表しました。気候変動対策のコストを、健康改善による恩恵が上回ることを明らかにして、気候変動への取り組みの強化を呼びかけています。

 報告書は、「パリ協定は今世紀で最も強力な健康に関する条約だ」と強調。化石燃料が主な原因となっている大気汚染で、世界で毎年700万人の死者、5兆1100億ドル(約576兆円)の福祉の損失となっており、低炭素エネルギーへの移行が健康改善に直接貢献するとしています。

 温暖化ガス排出量上位15カ国では、大気汚染による国内総生産(GDP)の損失が4%を上回っています。これに対して、パリ協定の目的達成のためのコストは世界のGDPの約1%です。

 WHOの公衆衛生部門のマリア・ネイラ部長は、「気候変動の本当のコストは病院や人々の肺に現れる。汚染を出すエネルギーによる健康破壊の代償はとても大きいので、クリーンなエネルギーや交通などへの移行は、それ自体で元が取れる」と語りました。

 報告書はまた、島しょ国などでの災害に強い医療施設の建設、気候災害の被災地での伝染病の予防体制の整備のための資金移転の増額などを呼びかけています。


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