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2018年12月4日(火)

辺野古に土砂 14日から

防衛局 民間桟橋使い積み出し開始

地元で抗議行動

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(写真)琉球セメント桟橋前で座り込む人たちと警備員たち=3日午前8時45分、沖縄県名護市安和

 防衛省沖縄防衛局は3日、名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う埋め立て土砂の投入開始を14日と記載した、沖縄県赤土等流出防止条例に基づく通知書を提出しました。岩屋毅防衛相が3日の記者会見で明らかにしました。

 また岩屋氏は3日午前、名護市安和(あわ)の桟橋から新基地建設に従事する民間業者が土砂の積み出しを開始したことを明らかにしました。土砂は順次、米軍キャンプ・シュワブ(名護市)に運ばれるとみられます。

 土砂投入が強行されれば、2015年10月に着工した辺野古本体工事は新たな局面を迎えます。自然環境に取り返しのつかないダメージを与えることにもなり、県民のみならず全国的な反発は避けられません。

 防衛省は当初、本部港塩川地区(本部町)から土砂を搬出する計画でしたが、台風24号で岸壁が損傷し、年内の使用が困難になったため、名護市安和にある琉球セメントの桟橋を使用しました。

 3日は桟橋前で早朝から数十人が「違法工事をやめろ」などと抗議しました。午前9時すぎにはトラックが次々と桟橋に進入。ショベルカーで土砂を移し替えられたトラックが土砂をベルトコンベヤーに流して運搬船に積み込みました。正午すぎに1隻目が出港し、午後には2隻目への積み込みが始まりました。

 琉球セメントの桟橋からの土砂搬出は、埋め立て承認願書でも想定されていません。本部町の仲宗根須磨子町議は「違法に違法を重ねてまた違法」と批判。抗議に参加した宜野湾市の男性は「玉城デニー知事が持っている権限を発揮してもらうためにも私たちが現場で頑張る」と述べました。

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(写真)記者団に搬入作業の違法性について述べるデニー知事=3日、沖縄県庁

違法投入許されぬ 沖縄知事

 沖縄県の玉城デニー知事は3日、同県名護市辺野古米軍新基地建設のための土砂投入に向けて、民間桟橋で土砂の搬入作業が開始されたことについて、県庁で記者団に「違法に土砂の投入を行うことは断じて許されるものではない」との見解を表明しました。

 県職員の現場派遣で、必要な届け出をしないで業者が違法な作業を行っていることも明らかになりました。

 デニー知事のコメントや県の担当者の説明によると、沖縄県国土交通省所管公共用財産管理規則第11条第3号に基づく桟橋設置の工事の完了届が提出されないまま搬入作業が行われ、県は搬入作業を「違法なもの」としています。

 桟橋内にある土砂の堆積場についても、沖縄県赤土等流出防止条例に基づく事業行為届け出が必要であることが判明。県の担当者は「届け出が終了するまで作業を行わないことを指導している。指導を聞かなければ、条例に基づいて中止命令もかけることができる。そういったことも視野に入れて対応したい」と説明しました。

 デニー知事は、同新基地建設を止めるために県が行った埋め立て承認の撤回を無効にした国土交通相の執行停止決定が、そもそも違法であると主張。「辺野古に新基地は造らせないという公約の実現に向けて、全身全霊で取り組んでいく」と改めて強調しました。


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