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2018年12月2日(日)

年金実質削減謀る

来年度にマクロ経済スライド

図:マクロ経済スライド

 安倍政権が、多くの高齢者や障害者の重要な生活の糧である公的年金で、来年度、給付額を実質削減する「マクロ経済スライド」を発動しようとしています。来年10月の消費税10%増税も狙う安倍政権のもと、さらに年金削減も許せば、国民生活への破局的な影響は必至です。

 根本匠厚生労働相は11月30日の衆院厚労委員会で、スライドの来年度発動について問われ「最終的な(物価や賃金などの)指標次第だが、発動されるような状況になるのではないか」と答弁。発動されれば、2015年度以来2度目となります。

 年金給付額は毎年度改定され、物価などが上がれば、給付水準維持のために同程度の引き上げを本来行うことになっています。

 「マクロ経済スライド」は、少子高齢化に伴う保険料収入の減少と年金給付の増大に備えるためとして導入され、物価などの伸び率よりも「年金額改定率」を低く抑えて実質削減する仕組みです。(

 安倍政権は、今年度から、受給者の生活に配慮して抑制に反映しなかった年度の分を翌年度以降に繰り越して、確実に実質削減できる見直しを行いました。今年度は0・3%分が繰り越しとなっており、来年度の発動で繰り越し分が加算される可能性もあります。

 安倍政権は1度目のスライド発動や、物価の低迷などを口実にしたマイナス改定など公的年金の実質削減を強行。安倍政権下の12年度~16年度に、高齢者1人当たりの年金給付費は平均約14万円も減少する一方で、高齢者の生活保護世帯は約16万世帯増えるなど、年金削減路線が高齢者の貧困化に拍車をかけています。(グラフ)

 日本共産党は、「マクロ経済スライド」の撤廃など年金削減路線の中止を主張。富裕層や大企業に応分の負担を求める税制改革などで財源を確保し、公費負担を大幅に増やして“減らない年金、頼れる年金”を実現するよう提案しています。

グラフ:高齢者1人あたり年金給付費(年間)

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