2018年12月1日(土)
“日本防衛”無関係の米軍部隊次々配備
自治体に直前まで知らせず
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米軍新部隊が、関係自治体に直前まで知らせないまま日本に配備される事態が続いています。横田基地(東京・多摩地域)の空軍特殊作戦機CV22オスプレイ配備、相模総合補給廠(しょう)=相模原市=の防空ミサイル部隊の司令部新設に、関係自治体・住民の懸念や怒りが広がっています。どちらも、在日米軍司令部の指揮下にない部隊です。“日本防衛”とは無関係の部隊が、基地整理・縮小や返還を求める自治体の意向を無視して配備された形です。(佐藤つよし)
相模総合補給廠に米陸軍の防空ミサイル部隊司令部が配備されることが、防衛省から相模原市に伝えられたのは発足(10月16日)わずか18日前の9月28日。
横田基地に配備されたオスプレイ5機は、周辺自治体に配備が通告された4月3日に横浜市の米陸軍横浜ノース・ドックに陸揚げされ、2日後の5日には横田基地に飛来しました。
米軍の作戦優先
基地の整理・縮小・早期返還を求め、運用などの変更についてあらかじめ協議するよう要請してきた相模原市は、新司令部配備を決定事項として突然知らされたことに「はなはだ遺憾」だと表明(10月4日の政府要請)。東京都と横田基地周辺自治体でつくる連絡協議会は、国内外でオスプレイの事故がつづき安全性への懸念がぬぐえず「住民の不安が広がっている」(4月27日の政府要請)としていました。
米軍が関係自治体より作戦を優先していることを示す事態は、すでに起きています。今年5月15日、京都府伊根町で起きた交通事故で、ドクターヘリによる救急搬送のため宮津与謝消防組合消防本部が米軍経ケ岬通信所(京丹後市)にXバンドレーダーの電波の停止を要請しましたが、米軍が応じず搬送が17分遅れました。
経ケ岬通信所のXバンドレーダーの部隊は、新設された相模総合補給廠の防空ミサイル部隊の司令部の指揮下に入ります。在日米陸軍広報室は、本紙の問い合わせに、新司令部は軍事作戦でも編制・装備など部隊管理でもハワイの第94陸軍防空ミサイル防衛コマンド(94AAMDC)の指揮下にあると回答しました。
ハワイが指揮権
94AAMDCはインド・太平洋全域にわたる戦域レベルのミサイル防衛司令部として2005年10月に発足。その下に経ケ岬、車力(青森県)の両通信所のXバンドレーダー中隊、嘉手納基地(沖縄県)のパトリオットミサイル大隊、グアムのTHAAD(サード=終末高高度地域防衛)ミサイル部隊が次々に配備されました(表)。相模総合補給廠の新司令部は94AAMDCの下でこれらの部隊を指揮します。Xバンドレーダーの電波を停止するかどうかの最終的な権限は、ハワイの司令部が握っています。
横田基地のオスプレイの部隊は、嘉手納基地配備の米空軍第353特殊作戦群の第1分遣隊として正式配備。第353特殊作戦群は、米空軍特殊作戦軍(フロリダ州)、太平洋特殊作戦司令部(ハワイ)の指揮下にあります。
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