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2018年11月22日(木)

「慰安婦」財団解散

すべての被害者の名誉・尊厳回復こそ

日韓は誠実な話し合いを

 日本共産党は2015年12月の日本軍「慰安婦」問題に関する日韓合意について、「あくまで問題解決の出発点であり、すべての『慰安婦』被害者が人間としての尊厳を回復してこそ真の解決となる」(17年1月、第27回党大会決議)と強調してきました。

 日韓合意は、「全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やし」を「日韓両政府が協力」して行うとしています。21日に韓国政府が発表した「和解・癒やし財団」解散の方針は、合意の破棄や再交渉は求めていません。事態を打開し、問題の真の解決に向かうため、両国政府は真摯(しんし)に話し合う必要があります。

 岸田文雄外相(当時)は合意発表の記者会見で、「安倍内閣総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として数多(あまた)の苦痛を経験され、心身にわたり癒やしがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」と述べました。

 ところが安倍首相は合意直後16年1月の国会答弁で、「性奴隷といった事実はない」「軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった」と、「慰安婦」問題の核心を否定する発言を繰り返しました。「慰安婦」被害者らは、日韓合意が自分たちとの十分な相談なしで行われ、安倍首相の「おわびと反省」の言葉も外相による代弁だったことなどに不満でしたが、首相発言にさらに反発しました。

 国際的にも、国連の女性差別撤廃委員会が、日本政府に対し「指導者や公職にある者が『慰安婦』問題に対する責任を過小評価し、被害者を再び傷つけるような発言をやめる」よう求め、人種差別撤廃委員会は、「被害者中心のアプローチで『慰安婦』問題の永続的な解決を確保すること」を勧告しています。

 安倍首相は、10億円の拠出をもって「日本側は、約束したことを、全て誠意を持って既に実行している」(18年1月)と述べ、日本側が行うべきことは何もないと“解決済み”との姿勢を強調してきました。しかし、それでは問題解決しません。日韓合意で表明した日本政府の「責任」「心からおわびと反省」にふさわしい行動をとる責任があります。

 安倍政権は、強制使役・性奴隷化という日本軍「慰安婦」問題の本質を認め、被害者に対する真摯な謝罪、事実の徹底した解明、過ちを繰り返さないための歴史教育などを行っていくべきです。過去の歴史と誠実に向き合う立場で、改めて韓国側と話し合うことが求められています。


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