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2018年11月18日(日)

きょうの潮流

 彼女は人生を子どもの心のままで遊びきって、笑いきって、しっかり生ききって去った―。生前、親交の深かった作家の吉本ばななさんがそんな「ありがとうの言葉」を送っていました▼乳がんのため、53歳で亡くなった漫画家さくらももこさんをしのぶ会がおととい開かれました。祭壇には漫画の登場人物や色とりどりの花が飾られ、桑田佳祐さんがアニメ「ちびまる子ちゃん」のエンディング曲「100万年の幸せ!!」を歌うにぎやかさで▼突然の訃報から3カ月。いまもアニメは放映され、彼女のコーナーを続ける書店も。色彩に富んだ温かな作風で、人間の日常と心の動きを面白おかしく描いた独特の世界観。それを惜しむ声は絶えません▼さくらさんは、あの「サザエさん」を生んだ長谷川町子さんを尊敬していたそうです。家族を中心に置いて日々の暮らしを題材にした同じ漫画家として。多くの共感をよんだふたりの作品は、人びとの幸せが何気ないところにあることを教えてくれます▼きょうは内閣府が少子化対策のために定めた「家族の日」です。子育てを支える家族と地域の大切さを再認識しようと。しかし現実はどうか。不安で産めない、保育園に入れない、お金がかかる、将来が心配…。子育てを負担に感じてしまう社会があります▼子どもと家族に冷たい政治がそれを招いています。人びとの生活に尊さと、いとおしさを見いだしていたさくらさん。まる子を通して人に優しくなれる社会をつくろうよと呼びかけるように。


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