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2018年11月14日(水)

「オール沖縄」県政で発展

県外からの観光客数が過去最高

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(写真)観光客でにぎわう国際通り=11日、那覇市

 9月の沖縄県知事選で「新時代沖縄」をスローガンに掲げ、過去最多の39万6632票を得てスタートした玉城デニー県政。翁長雄志前県政から続く保守・革新の垣根を越えた「オール沖縄」県政は、観光業を中心とする経済振興に力を入れ、好調を維持しています。

 土産物店が並ぶ那覇市のメインストリート「国際通り」は、11月に入っても観光客の人波が途絶えません。修学旅行の生徒たちが楽しそうに歩く歩道には外国人観光客の姿も目立ちます。

 沖縄県の発表によると、2018年度の国内外からの入域観光客数は、上半期(4~9月)だけで519万7300人。17年度は958万人で、6979億円に達した観光収入も5年連続で過去最高を更新しました。

 沖縄県内の旅行・観光による経済波及効果は1兆1699億8500万円(17年度)と推計しています。

 外国人観光客の増加傾向が顕著で、翁長県政が発足した14年度の99万人から約2・7倍の269万人(17年度)に増えています。

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 那覇空港を発着する国際線の便数が過去5年間(14~18年)で週78便から203便、クルーズ船の寄港回数が年162回から662回に増えたことが主な要因です。台湾、韓国、中国からの観光客が多くを占めています。

 県観光政策課観光文化企画班の仲里和之班長は「豊かな自然や文化など沖縄に魅力を感じて来る観光客が多く、離島の人気も高まっている。19年には県営下地島空港(宮古島市)の旅客ターミナルが開業し、本部(もとぶ)港(本部町)ではクルーズ船の新バースも完成する。観光客の滞在時間を延ばす方法を考え、消費の活性化につなげたい」と言います。

 デニー知事は、国内外からの観光客の誘致を戦略的に実施することで「観光客数1200万人超」「観光収入1・2兆円」を目指すとしています。

「働き方」は課題

 一方、観光業で働く人々の処遇改善も課題となっています。

 沖縄県労働組合総連合(県労連)が実施した「観光産業で働く仲間のアンケート」(18年、回答者数105人)では、過半数の56人が「人員を増やしてほしい」、67人が「給料を上げてほしい」と答えました。

 県労連の嶺間信一事務局長は「観光産業の発展は雇用の創出につながる半面、宿泊施設では離職者が多く、人手不足が深刻な状況にある。県と連携し、本土より低い賃金と長時間・過密労働の打開策を考えたい」と話しています。

 観光客誘致に取り組む沖縄観光コンベンションビューローも県政との連携を重視。「沖縄観光の安定的な発展のため、世界水準の観光リゾート地にふさわしい受け入れ態勢を整える」としています。


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