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2018年11月7日(水)

きょうの潮流

 〈土づくり 農の基本は 人づくり〉。ある農機メーカーが募った“農業川柳”の一句です。古くから農は命をつなぎながら環境や文化を育んできました▼人間の命が連続するためには、食べられる牛や豚、野菜や穀物も連続しなければならない。人間も生き物として自然界の循環のなかに存在する。その「生命の連鎖性」を持続させる営みが農業であり、漁業や林業です―▼岡山大学大学院教授の小松泰信さんが著書『隠れ共産党宣言』で「農は国の基」だと説いています。そして、農業を基幹産業と位置づける共産党の綱領に注目。「純粋に農業政策を協議するに値する政党は共産党だけ」と高く評価します▼安倍農政への批判も一致しています。「農ある世界」を苦しめ貶(おとし)めていると小松さんがいえば、志位さんも日本農業新聞のインタビューに「農業を金もうけの対象としか見ていない。競争、効率一辺倒を押し付け、これまで農業を担ってきた家族経営をつぶしていく。亡国の農政だ」▼「次は水産改革」と安倍政権は漁業にも矛先を向けています。漁業に携わる人たちの頭越しに企業の参入をひろげていく。農業同様、財界の要求にこたえ、これまでの漁業や漁村をつぶし、企業に売り渡そうと企(たくら)んでいます▼小松さんは、もうけ本位の論理による強さではなく、地域に根を張る、人の体にしっかり入り込むという、両面での根強い農業をめざすべきだと。それは日本の食と国土、環境や文化を培ってきた多くの人びとの思いと同じです。


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