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2018年10月26日(金)

主張

CV22横田配備

危険極まる特殊作戦の拠点化

 米空軍の垂直離着陸機CV22オスプレイが今月、首都・東京にある横田基地(福生市など多摩地域の5市1町)に正式配備されました。CV22は敵地にひそかに侵入し攻撃目標を強襲するなど特殊作戦を任務にしています。横田基地が米軍の危険極まる特殊作戦の拠点になることは、アジア太平洋地域での軍事的緊張を高めかねません。同機は重大事故の発生率も突出しています。横田基地への配備は周辺住民をはじめ都民・国民の安全や暮らしを脅かすものであり、直ちに撤去すべきです。

MV22よりも高い事故率

 横田基地に5機が配備されたCV22は、米海兵隊部隊を輸送するMV22オスプレイと機体構造や基本性能は同じです。しかし、MV22と異なり、特殊部隊を敵地に潜入させたり敵地から脱出させたりすることを任務にしており、夜間に超低空で飛行するための地形追随装置や敵のレーダーをかく乱する電子妨害機能などを備えています。敵地に送り込まれた特殊部隊は、偵察や破壊活動、要人の殺害、爆撃の誘導などを実行します。

 在日米軍は横田基地へのCV22の配備について「『2018国家防衛戦略』に沿って地域の安全保障上の懸念に対処する」ためとしています(4月3日報道発表)。

 米国防総省が1月に公表した「2018国家防衛戦略」は、中国やロシアとの「戦略的な競争」、北朝鮮やイランへの「抑止・対抗」、テロの脅威の「打倒」などを掲げ、米軍を「起こり得る全ての紛争で決定的な優位性を有する統合軍」にするとしています。それに必要な能力の一つとして「敵の防空・ミサイル防衛網の中にある多様な標的を攻撃できなければならない」とし、「複雑な地形での接近戦で殲滅(せんめつ)能力を高める」と特殊作戦の重視を打ち出しています。

 防衛省によると、横田基地のCV22は、沖縄・嘉手納基地(嘉手納町など1市2町)の米空軍特殊部隊や同・トリイ通信施設(読谷村)の米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)、グアムの米海軍特殊部隊のほか、韓国をはじめアジア太平洋地域に配備されている米軍特殊部隊と作戦を行うとしています。

 横田基地は「日本防衛」とは関係なく、文字通り米軍がアジア太平洋地域で展開する特殊作戦の新たな拠点になります。これは朝鮮半島で始まった平和の流れにも逆行するものです。

 CV22の事故率の高さは看過できません。

 10万飛行時間当たりの事故件数は、最も深刻な「クラスA」(死者または200万ドル以上の損害が出た場合)で4・05(17年9月末)となっています。沖縄の普天間基地(宜野湾市)に配備されているMV22は2機が墜落し、機体の一部落下や不時着など事故・トラブルを多発させています。MV22の「クラスA」の事故率は3・24(同)であり、CV22がこれを上回っているのは重大です。

撤去求める世論と運動を

 米軍は2024年ごろまでにさらに5機のCV22を横田基地に配備し計10機(人員約450人)にするとしています。既に同基地を拠点にしたCV22の訓練は、夜間を含めた離着陸や低空飛行など激しさを増しており、周辺住民は騒音に悩まされ、不安・懸念を強めています。配備撤回の世論と運動を大きく広げることが必要です。


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