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2018年10月18日(木)

辺野古 国が対抗措置

「法治国家にあるまじき行為」

デニー知事が強く非難

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(写真)記者会見を行う玉城デニー知事(中央)=17日、沖縄県庁

 沖縄防衛局による不服審査請求と撤回の効力停止の申し立てについて、玉城デニー沖縄県知事は17日「知事選で示された(新基地反対の)民意を踏みにじるもの」で「非常に憤りを持つ」と述べ、国の姿勢を強く非難しました。

 デニー知事は県庁内の記者会見で、安倍首相や菅官房長官と12日に直接面談し、県民の強固な民意を伝えて対話による解決を求めたことを紹介。「そのわずか5日後に対抗措置を講じた国の姿勢は、到底認められない」と述べました。

 行政不服審査法は国民(私人)の権利・利益の迅速な救済を図ることが目的ですが、国が「私人」と主張して行政不服審査制度を用いたことにデニー知事は「制度の趣旨をねじ曲げた、違法で法治国家においてあるまじき行為」と断じました。

 デニー知事は、仮に国交相が本件の申し立てを認めて撤回の効力停止を決定することになれば、「内閣の内部における、自作自演の極めて不当な決定」だと強調しました。

 今後の県側の対抗・対応策について問われたデニー知事は、国側の主張・内容等を「精査し、さまざまな状況を勘案しながら検討する」と述べました。

 引き続き対話による解決を求めていくと表明したデニー知事は、全国民に向けて「辺野古新基地建設反対の圧倒的な民意が示されたにもかかわらず、民意に対する現在の政権の向き合い方があまりにも強権的であるという現実のあるがままを、見ていただきたい」と訴えました。

沖縄防衛局による辺野古埋め立て承認撤回に対する審査請求及び執行停止申し立てに関する

玉城デニー知事のコメント(要旨)

 私は、法的措置ではなく、対話によって解決策を求めていくことが重要と考えており、10月12日の安倍総理や菅官房長官との面談でも対話による解決を求めました。しかし、そのわずか5日後に対抗措置を講じた国の姿勢は、県知事選挙で改めて示された民意を踏みにじるものであり、到底認められません。

 行政不服審査法は、国民(私人)の権利利益の簡易迅速な救済を図ることが目的です。一方、公有水面埋立法の規定上、国と私人は明確に区別され、今回は国が行う埋め立てであり、私人に対する「免許」ではなく「承認」手続きがなされています。本件において、国が行政不服審査制度を用いることは、当該制度の趣旨をねじ曲げた、違法で、法治国家においてあるまじき行為と断じざるを得ません。

 2015年10月13日の埋め立て承認取り消しの際も、沖縄防衛局は、行政機関であるにもかかわらず、自らを「私人」であると主張して審査請求・執行停止申し立てを行い、国交相は約2週間で執行停止を決定しました。

 しかしながら、行政不服審査法第25条第4項では、「重大な損害を避けるために緊急の必要があると認めるとき」が執行停止の要件とされています。前回の承認取り消しに対しては、翌日には執行停止の申立てを行っていますが、今回の本年8月31日に行った承認撤回から既に1カ月以上が経過しています。

 仮に、本件において国土交通大臣により執行停止決定がなされれば、自作自演の極めて不当な決定といわざるを得ません。

 私は、安倍総理に対し、引き続き、対話を求めていきます。国民の皆さまには、沖縄県において、辺野古新基地建設反対の圧倒的な民意が示されたにもかかわらず、その民意に対する現在の政権の向き合い方があまりにも強権的であるという、この現実のあるがままを見ていただきたい。

 私は、辺野古に新基地はつくらせないという公約の実現に向けて、全身全霊で取り組んでいきます。ぶれることなく、多くの県民の負託を受けた知事として、しっかりとその思いに応えたいと思います。


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