しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2018年9月30日(日)

きょうの潮流

 「この本はコンビニでは売っていませんよ」。コンビニオーナーの酒井孝典さんが大阪市内で開かれたつどいで紹介した本は『コンビニオーナーになってはいけない』(コンビニ加盟店ユニオン+北健一著)▼「私たちは奴隷になりました」と24時間365日「開いててよかった」の裏側が語られています。東日本大震災の時、店を閉めてはいけないという本部の指導のもと、津波が流れ込む店のコピー機やカウンターの上で一夜をすごした恐怖の体験は衝撃的です▼同書にも登場する辰巳孝太郎参院議員は国会質問でコンビニ独特の会計システムによって店舗オーナーが搾取される仕組みを告発しました▼弁当の廃棄分や万引き分を原価に含ませないことになっています。ロイヤルティー(上納金)が60%とすると、売れた分の6割が本社の取り分。損することはありません。オーナーの取り分は4割ですが、廃棄分の原価を負担しなければならずマイナスになることも▼つどいでは「過労死基準を超えて月350時間働いても年収二百数十万円」という酒井さんの話に参加者から驚きの声があがりました▼コンビニは全国で約6万店、大阪府内で4000店超。いまや「社会インフラ」なのにコンビニの経営はあまりに苦しく、地域から消えかねない状況に酒井さんは警鐘を鳴らします。海外の事例を紹介しながら、加盟店と本部が共存共栄できるフランチャイズ法制定の必要性を説く愛知大学の木村義和准教授の話に、何度もうなずきました。


pageup