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2018年9月20日(木)

きょうの潮流

 障害者雇用の水増し問題は、中央省庁のみならず全国の自治体でも相次いで発覚しています。多くの機関が、「制度への理解不足」が原因としていますが、本当にそうなのか▼障害者が社会の一員として尊厳をもって暮らすことをめざし、障害者差別解消法は国や自治体、事業者に合理的配慮の提供を求めています。合理的配慮の提供とは、障害者が障害のない人と同じように権利行使できるよう、それぞれの障害や場面に応じて個別に対応すること。国や自治体は義務化されています▼気になる話を聞きました。国が国立大学に交付する障害学生支援にかかわる経費は3~5年の時限つき。そのため職員の身分は非常に不安定です。公立では自治体の財政力によっては専門職員を配置できず、事務職員に業務を委ねざるをえない大学も▼合理的配慮の提供が義務化されても、形骸化されては意味がありません。それでも多くの大学では、専門職員が学生に寄り添い奮闘しています▼ある大学の職員は学内での支援だけでなく、「動けるうちに働いてみたい」と望む重度障害がある学生の就職活動も支援。「それを実現できる何かを一緒に探していきたい」と▼水増し問題をめぐり政府は、再発防止策や雇用確保策を示すとしていますが、障害者の願いに寄り添った施策が必要です。障害者の社会参加を阻んでいるという点で、水増し問題と合理的配慮の形骸化の根っこは同じ。学びの充実と働く権利の保障を一体的に考えることが求められています。


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