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2018年9月14日(金)

北海道地震1週間

「停電は人災」 憤る酪農家

搾乳の機械稼働せず 乳牛1割死ぬ

標茶町

写真

(写真)酪農家夫妻(中央)から話を聞く深見(右)、渡辺の両氏=13日、北海道標茶町

 北海道地震発生から13日で1週間。地震による停電で、全道各地で住民の暮らしや営業に深刻な被害が出ました。道東の酪農地域では、停電で搾乳できず、乳量低下につながる乳房炎が多発し、釧路管内(浜中、弟子屈(てしかが)、標茶(しべちゃ)、釧路町など)では、前月の3倍発生しました。

 日本共産党の深見迪(すすむ)、渡辺定之両標茶町議は、酪農家を一軒一軒回り、被害と要望を聞きました。

 140頭の乳牛を飼っている男性(36)の牧場。6日から8日にかけての停電で搾乳の機械が稼働せず、8割が乳房炎になり、1割の乳牛が死に、2割の乳牛を処分せざるを得なくなりました。

 男性は「ロボット搾乳で、牛の多くに菌が入ったようです。自動搾乳が牛にいかに負担をかけていたのか痛感した。他の牛は回復しており、いまを乗り越えられれば、今年は持ちこたえられるかもしれない」と悲痛な面持ち。こう語気を強めました。「今回は天災ではなく、人災だ」

 同町で新規就農して2年目の男性(35)は、停電後すぐ発電機を借り、6日午後から搾乳することができました。「4回分の生乳を廃棄しました。今年に入り乳量が増えているので、廃棄分は取り戻せると思う」と前を向きます。

 JAしべちゃ(標茶町農協)の千葉孝一代表理事組合長は「1日450トン、4500万円の生乳を廃棄しており、廃牛も多い。補償がないのがつらい」と話しました。

 深見、渡辺両町議は「酪農は標茶町の基幹産業です。党国会議員団や道議団と連携し、道、国に強く要望するよう力を尽くしていきたい」と応じました。

 (北海道・土田浩一)


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