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2018年9月13日(木)

きょうの潮流

 父親のいない家庭、ふたりの母。「混血だ」といじめられた日々…。在沖米兵とウチナーンチュの間に生まれた玉城デニーさんは、幼い頃から自分が何者かを追い求めてきました▼目の当たりにしたコザ騒動で不安に襲われ、本土復帰のときには「あんたは日の丸振らなくていい」と言われた忘れられない体験。後継者に指名した翁長雄志知事は生前「戦後沖縄の歴史を背負った政治家」だと評していました▼ロックバンドから福祉や内装、地元ラジオ番組の司会者とさまざまな活動を経ながら政治の道へ。当時の著書には「政治というのは、ぼくらの身の回りのこと、直面している問題について、みんなが協力する形で解決していくこと」だと▼いま名前の頭文字をとって掲げる三つの「D」には彼の原点や生き方が投影されています。人びとの多様性を受け入れるダイバーシティー、民主主義や地方自治を取り戻すデモクラシー、積極的な外交を意味するディプロマシー。それを新時代沖縄のデザインにして▼翁長知事がめざした平和で誇りある豊かさの実現と、県民の生活に根ざした政策を示したデニーさん。そこには当たり前のように新基地も基地に頼る経済もありません▼きょう告示の沖縄知事選。相手は安倍政権と一体の候補で、「女性の質の向上」を口にし、園児に教育勅語を唱和させた集会で礼賛のあいさつをした人物です。人とふれあい、痛みを感じとり、等身大の声に耳を傾けてきたデニーさん。沖縄の未来をひらくたたかいです。


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