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2018年9月11日(火)

自宅1階、寝ていたら土砂崩れに

北海道厚真町 孫と義理の息子を失った渡辺美佐子さん

助かった娘と生きる

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(写真)伊藤町議に思いを語る渡辺さん(左)=9日夜、北海道厚真町

 「若い人に先に逝かれてしまってがっかりです。順番が違うでしょ。こんな寂しいことはない」と声を詰まらせる北海道厚真町の渡辺美佐子さん(79)。北海道胆振(いぶり)東部地震で義理の息子、松下一彦さん(63)と孫の陽輔さん(28)を同時に失いました。身を寄せている総合福祉センターの避難所で日本共産党の伊藤富志夫町議に語りました。

 一彦さんと陽輔さん親子は、自宅の1階で寝ている時、土砂崩れに襲われました。陽輔さんは、家の中で見つからず、屋外の排水路まで押し流された状態で発見されました。渡辺さんが町に依頼して緊急に確保した団地の一室に2人のひつぎを並べました。

 「体は傷だらけだったけど、顔は眠っているようでした。声をかけたら目を開けるんじゃないかと思うくらい、きれいな表情だった」と唇をかみます。

 陽輔さんは、仕事帰りに職場の仲間とバスケットボールに打ち込む若者でした。仕事を終えると、町の中心部から離れた高丘地区の自宅まで戻る時間も惜しんでスポーツセンター近くの渡辺さん宅に寄り、着替えて真っすぐ練習に向かうことがよくありました。

 「おばあちゃん思いの心根の優しい子でした。休みの日には、病院への送り迎えをしてくれました。『頼むね』っていうと、いつも気持ちよく車に乗せてもらっています」。「高校を出て、もう10年も働いたよ」と話す陽輔さんに、渡辺さんが「私は45年働いているよ。10年ならまだまだこれから。あなたもがんばんなさい」と激励したばかりでした。

 「まだ28歳。やりたいこともいっぱいあったはず。でも、奇跡的に救出された娘と一緒に気を張って生きていくしかありません」と足元をみつめました。

 「まだまだ大変だけど」と声をかける伊藤町議に「頑張ります」と返した渡辺さん。伊藤町議は「おれも何とか頑張るから」と背中に手を置きました。(秋山強志)


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