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2018年9月6日(木)

西日本豪雨 救援・復旧 Q&A (8)

 Q 「被災ローン減免制度」があると聞きましたが…。

  西日本豪雨災害では水害や土砂災害によって、多くの住宅が被害を受けています。家が全壊し、住宅ローンだけが残ってしまい、この先どうしたらよいのかといった相談が寄せられています。

 自宅が再建できずローンだけが残ったり、再建しても二重ローンの負担に耐えきれず、自己破産に追い込まれたりしないようにと2011年の東日本大震災の被災者を対象に「被災ローン減免制度」がつくられました。その後、全国銀行協会が中心になって「ガイドライン」としてまとめられ、東日本大震災以外の自然災害にも適用されるようになりました。

 対象は今回の災害による被災者で住宅ローンなどが返せなくなった、あるいはいずれ返せなくなる見通しになった人です。金融機関の同意が得られれば蓄えのうち、最大500万円と再建を支援するための支援金などを手元に残した上で、可能な限り返済し、返済しきれない分は免除される仕組みです。手続きとしては、まず、最も多く借りている金融機関に申し出ると地元の弁護士会などを通じて弁護士が無料で相談に応じてくれます。そしてローンをいくら返して、いくら免除してもらえるかの計画をつくり、関係金融機関の同意が得られれば簡易裁判所で特定調停の手続きで確定し減免してもらうことができます。

 しかしこの制度には問題点もあります。制度に詳しい津久井進弁護士(日弁連災害復興支援委員会委員長)は、「被災者に十分周知されていないことが最大の問題」といいます。東日本大震災ではこの制度を利用して減免できた件数は、1347件でわずかな利用にとどまっています。この原因について、津久井弁護士は「この制度が利用される前に約定返済一時停止(いわゆる支払い猶予)及び条件変更契約締結(いわゆるリスケジュール)が金融機関によって進められたことです。被災ローン減免制度の利用がすすまず、金融庁が通知を出したのが、2012年の7月で被災後1年5カ月近くがたっていました。今回の災害で、この制度の利用を促すために何よりも制度の周知徹底が求められる」と語っています。(おわり)


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