しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2018年9月5日(水)

生活保護引き下げ告示

厚労相 反対の声を無視し強行

来月から

 加藤勝信厚生労働相は4日、生活保護のうち食費など日常生活費に充てる「生活扶助」の引き下げを10月から実施することを告示しました。生活保護利用者や支援団体、日本弁護士連合会(日弁連)などが反対する声を上げていましたが、これを無視して強行しました。(関連記事)

 安倍政権は生活扶助費を今年10月から3年かけて段階的に減らし、全て実施すれば予算規模では国と地方合わせて年額210億円が削減されます。

 厚労省の試算では、生活保護を利用する世帯のうち約7割で生活扶助費が減額されます。減額幅は最大5%で、都市部に暮らす「夫婦と子ども2人の世帯」では年10万円以上も少なくなるケースがあり、多くの子育て世帯の家計を直撃します。

 単身世帯では約8割が減額。厚労省が示した生活保護基準をもとに試算すると、都市部の単身世帯はほとんどの世帯で減ることになります。

 生活保護基準は、憲法25条で保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を具体化するものです。

 生活保護費の削減は、安倍政権発足直後から連続で行われており、今回の削減計画が明らかになると利用者からは「これ以上減額されたら、人間らしい暮らしはできなくなる」と悲鳴が上がり、削減計画の撤回を求める運動が広がりました。通常国会では、日本共産党や立憲民主党などの野党が共同し、削減凍結を盛り込む法案を提出しました。

 また、今回の削減は「一般低所得世帯」(年収の低い方から10%の世帯)の消費実態と比較・均衡させる手法(=水準均衡方式)によるものです。同方式に対しては厚労省社会保障審議会の部会が「最低生活保障基準を満たすものと言えるのか」と報告書で疑問を呈するなど、専門家からも異論が噴出していました。


pageup