しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら

2018年9月1日(土)

きょうの潮流

 生き証人が少なくなりいなくなっても、日本人が決して忘れてはならない出来事があります。1923年9月1日の関東大震災の直後に起きた朝鮮人虐殺はその一つです▼「描かれた朝鮮人虐殺と社会的弱者―記憶・記録・報道」展が、いま市民がつくる「高麗博物館」(東京・新宿区)で開かれています。「美人画」や「宵待草」の詩で知られる竹久夢二は、震災の翌日から東京の街をスケッチして歩き、「東京災難画信」を当時の都(みやこ)新聞に連載しました▼日本刀やとび口、竹やりを手にして通行人を問い詰め、朝鮮人と見れば追いまわして殺害に及んだ「自警団」。社会が騒乱するなか「朝鮮人が放火をして暴れている」などと流言し、デマを拡散したのは旧内務省であり警察官でした▼子どもたちの間にもはやった「自警団ごっこ」を、夢二は「子供達よ、棒切をもって自警団ごっこをするのはもう止めましょう」とたしなめています▼虐殺の現場を生々しく描いた水彩画も。頭と顔から鮮血が滴るはんてん姿の男に凶器で切りつける数人、後ろ手の男に銃剣をつきつける兵士たち…。「無残に殺された朝鮮の仲間たちよ」と呼びかけた壺井繁治の詩「十五円五十銭」の展示もあります▼小池百合子都知事は今年も関東大震災の朝鮮人犠牲者の追悼式に追悼文を送らないと主催者に伝えました。行政の長が加害の史実に背を向ける姿勢は民族差別をあおる風潮にもつながります。歴史に刻まれた人間の愚かな行為。くり返すわけにはいきません。


pageup