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2018年8月30日(木)

主張

消費税率引き上げ

「反動減」対策より増税中止を

 安倍晋三政権は今月末までに、2019年度予算案の各省庁の概算要求をまとめ、財務省に提出する予定です。19年度予算編成で最大の焦点の一つが、同年10月実施予定の消費税率の8%から10%への引き上げです。消費税の増税は国民の負担を増やし、消費を冷え込ますため、安倍政権はその対策を検討することを7月に決めた概算要求方針で打ち出しています。具体的な対策が出てくるのは年末の予算編成過程ですが、麻生太郎副総理・財務相は今週改めて予算編成を担当する財務省の主計官に対応を指示しました。

あくまで強行するために

 安倍首相は12年12月に政権に復帰した後、14年4月にそれまで5%の消費税率を8%に引き上げ、経済の底が抜けたといわれたほど、景気を悪化させました。原則としてすべての商品やサービスに課税される消費税は、家計を直撃し、消費を落ち込ませ、とりわけ低所得者ほど負担が重いためです。国内総生産(GDP)は14年度マイナスになりました。個人消費はその後も回復が遅れ、家計の消費支出は増税後ほとんどの月で前年同月比マイナスが続いています。

 安倍政権は、当初15年10月に予定した消費税率の10%への引き上げを、景気の悪化を理由に、2回にわたって延期しなければなりませんでした。しかしその後は、食料品などへの「軽減税率」の導入や消費の反動減対策をとることを口実に、来年10月からの増税を強行する構えです。

 麻生財務相は反動減対策を指示した会合でも、「間違いなくやれる状況になっている」と発言したものの、前回増税の際「大きな景気後退を招いたのは事実だ」として、「予算編成にあたっては、きちんとした対応をやっておかないといけない」と述べています。

 暮らしと経済に有害なことは百も承知で、安倍政権が消費税増税に固執するのは、歳入と歳出を抜本的に見直して、消費税に頼らず財源を確保する姿勢と政策に欠けているからだけでなく、法人税などの負担が増えることを嫌う財界が「税率10%超の消費増税も有力な選択肢」(経団連)と国民の増税を要求し続けているからです。

 しかし、安倍政権がいま持ち出そうとしている住宅や自動車の購入支援は、それだけの資金力がない消費者には何の恩恵もありません。むしろ住宅メーカーや自動車会社を喜ばす、大企業本位の政策です。増税前の駆け込み需要と増税後の落ち込みをならすために、値上げを前倒しして増税より早くしたり、「消費税還元セール」を解禁したりするなどというのは全く小手先の対策で、便乗値上げや値引き競争などを招くだけです。

選挙向けに10兆円規模も

 安倍政権の周辺には「前回の増税時の負担増は8兆円、今回は『軽減税率』などがあるので負担増は2・2兆円」という見方もあります。一方で政権内には来年の選挙対策を考えれば、「反動減対策に10兆円は必要」という議論もあります。増収見込みを上回る対策までとって増税を強行するのはまさに本末転倒です。

 国民本位の経済政策に転換し歳入と歳出を見直して、増税は中止すべきです。自民党総裁選では安倍首相も石破茂氏も増税前提に議論しています。自民党に政治をゆだねることはいよいよ危険です。


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