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2018年8月26日(日)

生活保障法へ改正提起

生活保護議員研 尾藤弁護士が講演

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(写真)講演する尾藤弁護士=25日、鹿児島市内

 鹿児島市で開かれた生活保護問題議員研修会で25日、法律家らでつくる生活保護問題対策全国会議代表幹事の尾藤廣喜弁護士が講演し、憲法25条で掲げた生存権を保障するため、生活保護法の名称を「生活保障法」に変えるなどの法改正を提起しました。

 尾藤氏は講演で、年金など社会保障制度の後退や労働環境の悪化で貧困が進み、餓死者も後を絶たない実態を紹介。このなかで保護制度は、捕捉率(利用する資格がある人のうち実際に利用している人の割合)が2割程度で十分に機能が果たされていないことをあげて、「もっと利用しやすくしなければ、餓死や経済的困難を理由とする心中が根絶できない」と法改正の必要性を語りました。

 尾藤氏は改正すべき中身について、捕捉率の調査・向上義務の明文化や利用条件の緩和なども提示。実現に向けて必要なこととして、各自治体で生存権保障という制度の理念に立った運用を求めることや、他の社会保障制度改善を求める運動と連帯を広げることなどをあげました。

 この日の研修会では、元生活保護ケースワーカーの田川英信氏が特別報告をしました。

 田川氏は、捕捉率が低い理由の一つに「自治体が必要な広報をしていないことや窓口体制が不十分ということがある」と指摘。行政が住民に制度を説明する時に使う「保護のしおり」で誤った記載がないかどうか、専門性が確保された職員が配置されているかどうかなど、地方議員としてのチェックポイントを伝えました。

 研修会は生活保護問題対策全国会議と全国公的扶助研究会が共催。25日はこの他、木村草太・首都大学東京教授の講演や六つの分科会が行われ、2日間の日程を終えました。


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