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2018年8月25日(土)

主張

17年度食料自給率

今こそ食料農業政策の転換を

 農林水産省が今月初め、2017年度の日本の食料自給率が38%(カロリーベース)になったと発表しました。6年ぶりに1ポイント低下した16年度と同じ、過去2番目に低い水準です。主要国では例のない異常な低さです。

 世界の食料需給は、人口増加や途上国の経済発展などで需要の拡大が続く一方、地球温暖化などで生産拡大の制約が強まり、政府自身が「中長期的にはひっ迫」と予測します。このもとで、国民の食料の6割以上が外国頼みというのは、国の存立や国民の生存条件を根本から脅かす事態であり、一刻も放置できません。

生産基盤も弱体化が

 安倍晋三政権は15年に閣議決定した食料・農業・農村基本計画で、25年には自給率を45%に引き上げる目標を掲げています。にもかかわらず低迷を続けている現実は、政府の姿勢や農政のあり方を根本から問わずにはいられません。

 16年度の自給率の低下は、台風被害による北海道の生産減が主な要因とされました。17年度はそれが回復したなかでも自給率は戻りませんでした。国産が大半を占めるコメの消費減少が続いているのに加え、長年の農業切り捨て政策の下で、農業の生産基盤が弱体化している表れです。

 高齢化による農業者の引退が進み、15年までの10年間に農業経営体は33%減少し、そのテンポは早まっています。ピーク時には600万ヘクタールを超えていた農地面積は、17年度には444万ヘクタールに減少しています。安倍政権は「攻めの農政」といって大規模化や効率化を押し付けていますが、これでは農業の担い手がさらに減り、条件の不利な農地が切り捨てられ、国内の自給力は弱体化する一方です。

 農産物の輸入拡大も食料自給率を押し下げた要因です。17年度は畜産物の需要が伸びているなか、国産の供給を上回るペースで輸入が増加しました。生鮮野菜も過去最大規模の輸入量に達しています。安倍首相は、「少子高齢化」の進展で国内需要は先細りだと、農水産物の輸出拡大を強調します。しかし、それをはるかに上回る輸入増で国内市場を外国産に明け渡している現実にはまったく口をつぐんでいます。

 加えて安倍政権は、「成長戦略の切り札」と称して、TPP11や日欧EPAを推進し、コメや牛肉・乳製品などの大幅な市場開放への道をつき進んでいます。米国との新たな貿易協議ではTPP水準を上回る輸入拡大を迫られるのは必至です。食料の外国依存をますます深める自由化一辺倒の政策では食料自給率は下がり、国の将来が危うくなるばかりです。

自給率向上を国政の柱に

 イギリスでは2度の大戦で深刻な食料不足に陥った経験から、国を挙げて農業生産の回復・自給率の向上に取り組みました。農業つぶしの傷痕が深い日本でこそ、自給率の回復・向上に政治の力を総結集すべきです。

 日本共産党は農業を基幹的生産部門に位置づけ、食料自給率50%台への早期回復を国政の柱に据えることを訴えています。食料主権を保障する貿易ルールを求め、国土を生かした農林漁業の多面的な発展、大小多様な家族経営が成り立ち安心して就農できるよう、価格保障や所得補償など経営条件を抜本的に改善することです。


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