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2018年8月24日(金)

きょうの潮流

 西郷隆盛と南北戦争と言ったら「西南戦争の間違いだろう」と反論されそうです。でも南北戦争の話です▼NHKのドラマ「西郷(せご)どん」が倒幕の局面になってきました。武力「討幕」を担ったのが西郷隆盛です。幕府も討幕派も新鋭兵器は輸入品。米国の南北戦争後に余った武器が流入しました▼アメリカ人にとって南北戦争は二つの世界大戦以上の悲劇です。戦場は米本土。英語で頭文字が大文字のシビル・ウォー(内戦)といえば南北戦争です。欧州の「死の商人」たちは破壊力の強い武器を米国に売りまくりました▼南北戦争の終結は鳥羽・伏見のたたかいの3年前。大量の武器が余ったところ、太平洋の向こうに絶好の売却先が見つかったというわけです▼既に日本は米英仏などと外交関係を持っていました。外国が日本政府(幕府)以外の勢力に武器を売ることは条約で禁じられていましたが、英国商人グラバーや坂本龍馬を介して討幕派に売り込みました。もちろん幕府にも。殺傷力が高く、操作しやすい銃は短期間の訓練で庶民を兵士にすることを可能にしました。「国民皆兵」の始まりです▼それから150年。この夏も各省庁が来年度予算の概算要求をまとめます。防衛省は過去最高の5兆3000億円超を要求し、F35戦闘機など高額な米国製兵器の導入を進めます。こちらは余り物ではありません。トランプ政権の武器売り込みに安倍晋三政権は言いなりです。外国の武器を買い込んで戦争―繰り返してはならない歴史です。


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