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2018年8月14日(火)

日航機墜落33年

命が大切 語り継ぐ

追悼登山 勇気をもらい合う

 乗客乗員520人が犠牲となった1985年の日本航空ジャンボ機墜落事故から33年となる12日、事故現場の群馬県上野村の御巣鷹の尾根では登山者らが命を大事にする社会へ思いを新たにしました。


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(写真)「昇魂の碑」に手を合わせる登山者ら=12日、群馬県上野村・御巣鷹の尾根

 御巣鷹の尾根に建立された「昇魂の碑」の前で開かれた集いでは、犠牲者を悼み黙とうが行われ、演奏とともにシャボン玉を飛ばしました。

 「この山に登るのは毎年のスケジュールの一つ。登るたびにつながりができ、切磋琢磨(せっさたくま)して、次の活動に向かっていける場所」と話すのは宮城県の田村孝行さん(57)です。東日本大震災で七十七銀行女川支店に勤務する息子の健太さん=当時(25)=が津波で犠牲に。田村さんは、安全な高台に行員を避難させなかった同行の責任を追及してきました。

 3年前の御巣鷹登山で、災害や事故の遺族らとつながりました。「向き合うものは違っても、命が一番大切ということと次世代へ語り継ぐという方向は一緒」といいます。

 シンドラー社製のエレベーターで息子の大輔(ひろすけ)さん=当時(16)=を亡くした市川正子さんは「痛みを共に分かち合い、勇気をもらい合って次につなげていく場です」といいます。

 「安全の鐘」の周辺では、鉄道事故や災害の遺族らが交流し「みなさんと話が聞けてよかった」「つらい思いを抱えているのは自分だけじゃなかった」と手を取り合っていました。

 「8・12連絡会」の美谷島邦子さんは「紹介するまでもなく、(遺族らが)自然に話をしあう場に御巣鷹がなった。やさしい山になったんだな。被害者は孤独です。私も33年前、そうでした。その孤独も、つながれば孤独じゃない」と話しました。


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