しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら

2018年8月12日(日)

サービス残業是正446億円超

昨年度 厚労省公表 319億円の大幅増

 厚生労働省は、残業をしたのに賃金が支払われない「サービス残業」(不払い残業)の是正指導結果をまとめ、2017年度は過去最高の446億4195万円に達しました。前年度から319億1868万円の大幅増です。

 残業代不払いが毎年、巨額に達しているもとで、安倍内閣が強行した「残業代ゼロ」制度である高度プロフェッショナル制度や、政府・財界がねらう裁量労働制の対象拡大が改めて問われます。

 是正された対象労働者は、20万5235人(前年度10万7257人増)。企業数は1870企業(同521企業増)となりました。このうち100万円以上の支払いは1870企業に達し、1000万円以上では、78企業増の262企業にのぼりました。1企業での最高支払額は、運輸・交通業の199億1030万円(前年度6億7485万円)でした。

 厚労省が調査を始めた01年以降の17年間の是正総額は2976億6119万円です。是正された労働者総数は237万564人、企業総数は2万2630社に達します。

 厚労省は昨年1月、残業時間の新しい管理を命じる通達を出しましたが、その後も不払いが相次いでいます。

 日本共産党は1976年以来、300回を超える国会質問でサービス残業を追及。2001年4月に厚労省が出した「サービス残業根絶通達」(「4・6通達」)に結実し、サービス残業の摘発・是正が前進しました。この通達後、厚労省が毎年、サービス残業是正結果を発表するようになりました。

解説

 2017年度のサービス残業(賃金不払い残業)の是正額は、過去最高の446億4195万円にのぼりました。労働者と労働組合、日本共産党が力を合わせて運動を前進させた結果です。

 同年に社会問題となったのがヤマト運輸です。宅配運転者2人が違法な長時間労働とサービス残業を神奈川労連に相談。労働基準監督署に申告しました。

 17年1月31日の参院予算委員会で共産党の田村智子副委員長が「本社に対する厳しい対処が必要だ」と追及。安倍晋三首相が「本社に入って、調査しなければならない」と答弁せざるをえなくなり、翌2月1日、ヤマトは「働き方改革室」を設置し、グループあわせて230億円の支払いに追い込まれました。

 サービス残業(賃金不払い残業)は、労働基準法32条に違反し、懲役6カ月または30万円以下の罰金に処せられます。しかし、発覚しなければ企業の丸もうけになり、摘発を受けても、その時点で本来支払うべき賃金を支払えばすんでしまうため横行しています。

 共産党は1976年以来、300回を超える質問でサービス残業を追及。2001年4月に厚生労働省が「4・6通達」で「使用者は…労働時間を適切に管理する責務を有している」と明記し、是正指導が前進しました。

 16年、電通の高橋まつりさん=当時(24)=の過労自殺事件が発覚。共産党など野党4党は同年11月15日、共同提案していた長時間労働規制法案の罰則規定を強化して再提出しました。

 17年1月20日、厚労省は「4・6通達」を改定した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」で、残業時間の自己申告制などの対応について明文化しました。

 これに逆行して安倍政権は、今年の通常国会で、残業代ゼロ制度(高度プロフェッショナル制度)導入を強行しました。

 職場からのサービス残業根絶のたたかいとともに、市民と野党の共同目標となった高プロ廃止の運動が重要となっています。


pageup