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2018年8月8日(水)

きょうの潮流

 泥まみれのピアノが置かれていました。荒れ果て、ひと気のない家の前に。ふとんやタンス、食器やぬいぐるみ…。暮らしの一つ一つが、ごみと化して積まれています▼川が決壊し、街が水に沈んだ岡山・真備町。猛暑で乾いた土ほこりが舞うなか、住民らはくたくたになりながら、日常の生活をとり戻そうと必死です。新築の家が浸水した若い夫婦は二重ローンに追われる不安を口にしていました▼山からなだれ込んだ土砂や流木、石で校庭が埋まったままの広島・呉市の天応中学校。近くの川筋は変わり果て、いまだ行方不明の住民も。住民やボランティアと道路を直していた男性は、被災状況にあった支援を求めました。「この光景を目に焼き付け、要望を聞いてほしい」▼無数の山肌が削り取られた愛媛の山間部。宇和島や西予のミカン畑も甚大な被害を受けました。摘果していた農家の男性は重機が入れない急斜面での手作業や生活再建の困難さを切々と訴えました▼広範囲に被害が及んだ西日本豪雨から1カ月がたちましたが、被災地の現状はつらく厳しい。故郷をあきらめる人も出ています。現場では「まさかこんなことに」「公的な補償を」の共通した声が聞こえました▼いまや災害に苦しむ人びとは各地に。強じんな国づくりをいいながら、カジノにうつつを抜かす政府のもとで救われない心の叫び。自身も屋根の上で助けを待った真備歯科診療所の小坂勝己・事務長はいいます。「この国の政治は国民の命を守ろうとしているのか」


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