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2018年7月28日(土)

きょうの潮流

 「平等には揺れません」。神戸大学名誉教授の田結庄良昭(たいのしょうよしあき)氏の言葉に会場は何度もどよめきました。大阪市内で開かれた大阪北部地震と防災についての学習会でのこと▼死者4人、家屋の被害は3万3千棟を超えました。ほとんどが屋根瓦の損壊など一部損壊でしたが、雨漏りを防ぐ応急措置のブルーシートがかけられた家が目立つ地域には共通する特徴がありました。旧河道や川の合流地域など地盤が悪い地域です▼田結庄さんによると、かつて川、池や海だったところなど軟弱な地盤ほど揺れが大きくなり、古い木造住宅などの方が被害は多い「住宅格差」が生まれます。地震による揺れも被害も復興も「平等」ではないのです▼取材していてもそのことを実感しました。88歳の女性は住んでいた民間住宅が「危険」判定され避難所暮らし。「怖くて帰れない。かといって代わりの住居を探そうにも敷金礼金が用意できない。家賃が3万円を超えたらやっていけない」と途方にくれます▼課題は山積みなのに、なぜいまカジノなのか。災害対策よりカジノ実施法成立を優先した自民、公明、維新の姿勢にはあきれます。大阪の維新府市政が誘致しようとしているカジノ候補地がまた最悪です▼大阪市此花(このはな)区の人工島・夢洲(ゆめしま)。大地震による液状化や津波被害が懸念される島に人を集め「人の不幸で成り立つギャンブル」に興じさせようとは。地下鉄延伸だけで約540億円。カジノと大災害の備えと「どっちが大事なん」(「明るい民主府政」ビラ)。


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